大切なビジネスマンの仕事着、しっかりとお手入れしてますか?
毎日キレイな状態で着用するために、頻繁にクリーニングを利用していただいている方も多いと思います。
クリーニング屋を代表して・・・いつもありがとうございます!
しかし、”今までクリーニングするしかない”と思っていたアイテムも、家庭で簡単な洗濯やお手入れができるんですよ。
こちらでは、そんな洗濯方法をご紹介している、ビズネスマンの方々に役立つ記事をまとめてみました。
スーツ
スーツは家庭洗濯が難しいアイテムの代表格。
それは皆さんもご存知のとおり、ウールで作られていることがほとんどだからです。
ウールは安易に水洗いするとほぼ100%縮んだり風合いが変わってしまいます。
ウール製品が縮むのはナゼ?のページでもご紹介していますが、収縮してしまう理由を簡単に説明するとこんな感じ。
- 水を含むとウール表面のウロコが開く
- 洗濯中に揉み作用が加わることで繊維同士が絡まる
- 絡まったままウロコが閉じて縮む
また、一般的な弱アルカリ性粉末洗剤はウールのタンパク質を取り除いてしまうので、風合いが変化する原因となってしまいます。
このように、普段の洗濯はウールにとって良くないことばかりなのです。
洗濯の手順
上記の内容がウールを縮ませてしまう理由。
そのため、ウロコを開かせない、洗濯中に力を加えない、弱アルカリ性粉末洗剤を使わない、というところがポイントになります。
- デリケート衣類用中性洗剤を入れた洗浄液を作る
- スーツを軽く畳んだ状態で洗浄液に浸す
- 水の中を泳がせるように優しく押し洗いする
- 水を入れ替えて濯ぐ
- 洗濯機で10秒~30秒ほど脱水する
デリケート衣類用中性洗剤は、ウールのウロコが開かないような工夫がされているので、このような洗濯のときには必須の洗剤です。
これほど丁寧な洗い方でも洗い上がりは「大丈夫かな・・・?(汗)」と心配になるほど、シワが多くなっているはず。
そう、実は問題はアイロンがけにあるのです。
本来はここから収縮を修正しながら、全体をアイロンがけしてパリッとした風合いを出していきます。
そのため、アイロンがけはプロ級!という方以外には、スーツの家庭洗濯はあまりおススメできないんです。
それでも洗いたい!って方はこちらのページをご覧ください。
ネクタイ
シルクのネクタイも、今まででしたら必ずクリーニング出さなければならないアイテム。
実はこちらも家庭で簡単な洗濯が可能です。
しかし、ウール同様、シルクも水洗いが非常に不向きな繊維なので、かなりデリケートな取り扱いが必要になります。
何も考えずに水洗いしてしまうと、独特な風合いと手触りが損なわれてしまうので注意が必要です。
また、”洗える方法がある”のであって、水洗いが推奨されるわけではありません。
やはり風合いを損なわないためにはドライクリーニングがもっとも適しています。
洗濯の手順
やはりこちらもウール同様、かなりデリケートで丁寧な取り扱いが必要になります。
揉む、擦る、叩くなどの負荷をできる限り抑えなければなりません。
- デリケート衣類用中性洗剤を入れた洗浄液を作る
- 軽くたたんだネクタイを洗浄液に浸す
- ゆらゆらと揺らすように洗う
- 水を入れ替えて濯ぐ
- バスタオルに包んで水気を取り除く
- 陰干しで自然乾燥する
- アイロンで整形する
詳しくはこちらのページをご覧ください。
画像付きで、洗濯手順をご紹介しています。
ワイシャツ
さて、最後はワイシャツです。
「いやいや、シャツくらい教えてくれなくても洗えるよ!!」
そんな声も聞こえてきそうですね。
しかし、ワイシャツの汚れはなかなか曲者なんですよ。
家で洗っているワイシャツの襟が黄ばんできたりしていませんか?
ちゃんと洗濯しているつもりでも、汚れを落としきれていないことが多いので、このように変色してしまうのです。
普段の洗濯手順
画像を貼り間違えたわけではありませんよ。(笑)
ワイシャツに付着するもっとも落としにくい汚れは皮脂汚れです。
その名の通り皮脂は油汚れに分類されるんですが、これをおとすのに台所用洗剤が有効なんです。
使い方は簡単。
普段の洗濯の前に襟や袖口へ台所用洗剤をつけて下洗いしておくだけです。
洗濯用の固形石鹸でも構いません。
この一手間が、汚れ落ちに大きく寄与します。
本当はお湯洗濯するのも効果的なんですが、毎日やるのはちょっと面倒・・・。
ということで、台所用洗剤の下洗いをおススメします。
黄ばんでしまったら
注意して洗濯していても襟回りが黄ばんでしまったら、漂白して汚れをリセットしてあげましょう。
一度変色してしまうと、普段通りの洗濯だけではまず落とせません。
漂白処理が必須になります。
使うのは酸素系漂白剤。
塩素系は色柄物には使えず、生地への負担も大きいので、家庭で使える漂白剤は酸素系一択と考えてください。
手順はこちら。
- 40℃ほどの温水を用意する
- 酸素系漂白剤を適量入れる
- ワイシャツを投入して30分~1時間ほど漬け置き
- 黄ばみが落ちていたら洗濯機で普段通り洗う
ポイントは温水を使うこと。
40℃~50℃ほどの温水を使うと漂白力が格段にパワーアップします。
酸素系漂白剤の詳しい使い方はこちらのページにまとめていますので、あわせてご参考ください。
意外と?使える洗濯のり
いつもクリーニングに出しているワイシャツがキレイなのはなぜかわかりますか?
それはプロの洗浄力が高いだけでなく、洗濯のりの効果もあるんです。
洗濯のりでコーティングされることによって汚れが繊維に入り込みにくくなり、汚れが落ちやすくなるからなんですね。
パリッとさせるだけじゃないんです。
ご家庭で実践するには少々面倒かもしれませんが、クリーニング級の洗い上がりを目指したい方は検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
このようにスーツやネクタイも正しい方法を知っていれば家庭でも洗うことができます。
ただし、ドライクリーニングが適した方法であることは間違いありません。
購入価格が安かったものや何年も着ていて新品当時の風合いがすでに無いものは家庭洗濯。
それ以外はクリーニング、と状態によってメンテナンス方法も使い分けるのがおススメですよ。