洗濯機の購入・・・
これってなかなかの大事件ですよね。
「長く使うためにはどれを選んだらいいんだろう?」
「最新型がよさそうだけど価格が高いよな・・・。」
「ウチの家族構成だとどれくらいの容量がいいんだろう?」
などなど、悩みは尽きません。
そこでこちらでは、クリーニング屋的な洗濯機を選ぶコツをご紹介してみたいと思います。
目次
選び方のポイント
洗濯機は種類が多くてどれを選んだらいいかわからない!
そうですよね。
でも選び方にもポイントがあります。
見た目と価格だけではないんですよ。
そんなポイントを少し細かくチェックしてみましょう。
機能別で選ぶ
まずは洗濯機の機能について見てみましょう。
乾燥機能付き
パナソニック プチドラム ドラム式洗濯乾燥機 左開き ななめドラム NIGHT COLOR NA-VD210L-CK コモンブラック 洗濯・脱水6.0kg 乾燥3kg
今スタンダードになりつつあるのがこのタイプ。
洗濯機能に加えて乾燥機能も搭載している洗濯機です。
洗濯~乾燥まで自動で行うことにより家事の手間を大幅に減らすことができます。
主婦の方にとっては、”洗濯物を干す”という作業から完全に解放されるので便利ですよね。
乾燥時間が長い!という側面もありますが、●洗濯物を干す手間がない、●コインランドリーまで持って行く必要がない、という部分を考えるとメリットの方が多い気がします。
余談にはなりますが、コスト的にもコインランドリーより乾燥機能の電気代の方が安くなることがほとんどなんですよ。
手間が掛からないだけでなく、乾燥後に洗濯物がふんわりと仕上がるのもメリットです。
全自動洗濯機(簡易乾燥機能付き)
もっともオーソドックスなタイプがこちら。
全自動で洗濯工程を終わらせてくれるタイプです。
・・・といっても、今となってはもはや当然の機能ですけどね。
ほとんどが縦型で、現在も主流のタイプ。
価格的にも比較的リーズナブル、使い勝手もいいということで、こちらを使っている方も多いのではないでしょうか。
また、ほぼ全ての機種に”簡易乾燥機能”が搭載されています。
「じゃあこっちも洗濯乾燥機じゃん!」と思われるかもしれませんが、あくまで簡易的な機能です。
完全に乾かすことは難しく、補助的な意味合いが強いと言えます。
(とはいえ、使いどころはほとんど無いように感じますが・・・。)
二層式洗濯機
ハイアール 5.5kg 2槽式洗濯機 ホワイトHaier JW-W55E-W
家庭用洗濯機としてご紹介するのはどうなのか?とも思いましたが・・・
こちらは二層式洗濯機といって洗濯槽と脱水槽が分かれているタイプです。
洗濯から脱水まで全自動が当然という時代ですが、こちらは全て手作業。
洗濯槽で洗濯する→水を入れ替えて濯ぐ→水を入れ替えてさらに濯ぐ→少し水を溜めて柔軟剤を入れる→脱水する
このように文章にするととてつもない作業になります。(苦笑)
ですが、その自由度の高さから、一番高品質な洗濯できる洗濯機でもあります。
- 水量や洗濯時間を自由に設定
- 目で見て手で触って洗濯物の状態がわかる
- 少ない洗濯物でも効率的に洗える
このようなメリットがあり、ある意味では上級者向けの洗濯機とも言えます。
知っていますか?
二層式はクリーニング屋も愛用する洗濯機なんですよ。
どんなクリーニング工場にも必ずと言っていいほど設置されています。
ポイント
「もう洗濯物を干したくない!」
そんな方は洗濯から乾燥までワンストップで行うことができる洗濯乾燥機がいいですね。
「とにかく汚れを落としたい!」
そんな方は価格や機種の多さ、使い勝手の良さもメリットの縦型洗濯機。
「洗濯を極めたい!」
そんな方は2台目の洗濯機として二層式がおススメです!
洗浄方法の違いで選ぶ
続いて洗浄方法の違いについて見てみましょう。
渦巻き式
従来の縦型洗濯機は渦巻き式です。
たくさんの水と強い水流で洗う、高洗浄力が特徴。
日本ではもっとも馴染みがある安心の洗浄方法です。
他の何よりも汚れ落ちを重視したい方にはおススメです。
メリット
- たっぷりの水+強い水流で高い洗浄力
- 比較的安価
- メンテナンスがラク
デメリット
- シワになりやすい
- ドラム式に比べて洗濯物への負荷が大きい
- 水を多く使うのでコストがかかる
- 洗濯物を取り出しにくい
ドラム式
ドラム式は洗濯槽が回転することにより洗濯物を上から下に落とす叩き洗いです。
コインランドリーなどの業務用洗濯機もこのタイプですね。
渦巻き式に比べて使う水も少なく、エコで経済的なのが特徴。
前面パネルから中の様子が見えるので、”「おぉ!洗ってる!」と実感できるのが好き”という方もいらっしゃいます。
メリット
- 水道代、電気代を節約できる
- シワになりにくく、洗濯物へのダメージも少ない
- 洗濯物が取り出しやすい
デメリット
- 渦巻き式に比べて洗浄力が劣る
- 少ない水で洗うので移染や再汚染が起きやすい
- 比較的高価
- メンテナンスしにくい
ポイント
これは”汚れものが多く出るか?”というのが大きなポイントになりそうです。
小さいお子さんがいたり、仕事着が汚れやすい場合には洗浄力が高い渦巻き式を選ぶとよいでしょう。
汚れものが少ない環境でしたら、節水仕様&お洋服への負荷が少ないドラム式がおススメです。
容量で選ぶ
続いて容量で選ぶ際のポイントです。
こちらはかなり重要ですよ!
洗濯物量に見合った容量を選ばなければ、汚れ落ちに大きく影響します。
容量の目安としては、一人当たり1.5kgです。
~5kg
ひとり暮らし、または2人など少人数で使う予定ならば~5kg容量がピッタリ。
洗濯物量が少ないならば2~3日溜めてから洗っても問題ないですね。
ハイアール 4.5kg 全自動洗濯機 ブラックHaier JW-C45A-K
6~7kg
一番ボリュームが大きいであろうこのような世帯は、6~7kg容量で。
ただし、この位の容量では毎日洗うことが前提となってきます。
先ほどの1人×1.5kgという目安よりも少し余裕を持った9kgあたりですと安心かもしれません。
日立 7.0kg 全自動洗濯機 ピュアホワイトHITACHI 白い約束 NW-7WY-W
8kg~
大人数の世帯ならば迷わず大きめの洗濯機を選びましょう。
2回、3回と洗濯回数を分けていくとコストや手間もかかりますので、できれば大容量の洗濯機で一度に洗いたいですね。
ちなみに家庭用で大容量のものですと、11kgや12kgという洗濯機があります。
パナソニック 10.0kg 全自動洗濯機 シャンパンPanasonic エコナビ NA-FA100H3-N
ポイント
繰り返しになりますが、容量はかなり重要なポイントです。
それは、容量に対して適した洗濯物量で洗うことは、高品質な洗濯をするための基本だからです。
小さい洗濯機に大量の衣類を詰め込んでも、それは洗っているのではなく濡らしているだけに近い状態。
容量が大きくなれば価格も高くなりますが、ここだけは節約せず家庭環境に合ったものを選んでください。
寸法(サイズ)と設置場所
これは使い勝手や容量に関係なく、ある意味では非常に大切な部分。
設置スペースにしっかりと収まらなければ、どうしようもありませんからね・・・。(苦笑)
洗濯パンのサイズ
これは必ずチェックしておきたいですね。
せっかく買ったのに置けなかった!では大変です・・・。
ベランダならば洗濯機パンが無くても大丈夫ですが、屋内ならば要チェックですよ!
給水の位置
給水の位置が洗濯機よりも上にあるのが理想。
画像のお家はお湯の給水もあるみたいで便利そうですね。
配水の位置
左右どちらかに配置されていることがほとんどですが、稀に中央真下なんかにある場合も。
そんな時は別途器具が必要になることがあるので注意しましょう。
ドアの開閉方向
こちらは特にドラム式洗濯機の場合の注意点。
壁の位置によって、ドアが左右どちらに開くタイプなのかを決めなければなりません。
例えば上の画像の場合には、向かって右手に壁があるので”右開き”を選びましょう。
ドアの奥行
こちらもドラム式の場合。
洗濯機の前のスペースが狭すぎると、ドアが開けなくなるかもしれません。
細かいところですが、このようなところもしっかりとチェックしておきましょう。
価格で選ぶ
いろいろと選び方のポイントをご紹介してきましたが、やっぱり気になるのは価格ですよね。
ただ、前途のとおり洗濯機選びには価格以外の大切なポイントがたくさんあります。
”価格が安いから小さい容量を選ぶ”など使い勝手を犠牲にしてまで価格を追求するのはやめた方がいいのではないでしょうか。
2万円台
ひとり暮らし用(~5kg)ですと、人気の機種でも2万円台で買えそうです。
3万~5万円ほど
一番ボリュームが大きいゾーンがこの辺り。
一般的に使う家庭が多そうな、6kg前後の洗濯機がこの位の価格です。
ただ、型落ちなどを選ぶと容量が大きくても2万円台で販売されている洗濯機も見かけます。
選択肢が多いので機能的にも価格的にも納得がいくものを選べるのもこのゾーンかもしれませんね。
10万円~
いわゆるドラム式の洗濯乾燥機がこの位の価格帯に。
さらに細かく見ると、普通のドラム式洗濯乾燥機で15万~17万ほど。
最新型ですと20万円を超えてくる機種も。
最近出始めたコンパクトなタイプで12万~13万ほどと少しリーズナブルになりそうです。
ただ、これらの価格はあくまで参考値なので、時期やセールの関係でかなり変わってくることでしょう。
中古の洗濯機は使える?
価格のことを考えると、「中古の洗濯機は安そうだな!」と思うかもしれませんね。
確かに、ほとんど新品に近い”当たり”の洗濯機に出会えれば中古も視野に入ってきそうです。
中古品の価格
価格については状態や年式によってかなり変わってくるので一概には言えませんが、あくまで個人調べで少し見てみたところ、ほぼ新品で状態が良くても20%~30%ほど安くなりそうです。
(あくまで参考にしてください。)
この位安くなってくれると中古も魅力的です。
トラブル
一番注意したいポイントが、中古ゆえのトラブルではないでしょうか。
- 保証の有無を確認しておく
- あまりにも安い場合はその理由を聞いておく
- お店側が見落としている劣化や破損があるかもしれないので、購入前には自分でもよくチェックする
特に重要なのは保証の有無ですね。
もしも無保証でしたら、数回使って壊れても文句は言えませんから・・・。
使う前のお手入れ
もしも良いの中古洗濯機に出会えたとしても、誰が使っていたかもわからない洗濯機でいきなり洗うのはちょっと気が引けますよね(苦笑)
使う前に洗濯槽を掃除しておくと気持ちよく洗濯できます。
誰かの洗濯物から出てきた汚れを掃除するのも、それはそれで切ない気もしますが・・・。(汗)
洗濯槽の掃除についてはこちらのページが詳しいです。
最新の機能をチェック
基本的な選び方のポイントは全てをご紹介しました。
ここからは各メーカーさんが取り組んでいる+αの最新機能をチェックしてみましょう。
基本的なポイントだけではどうしても決め手に欠けるという方は、このような部分もチェックしてみてください。
温水洗濯ができる
パナソニック 11.0kg ドラム式洗濯乾燥機【左開き】クリスタルホワイトPanasonic エコナビ 即効泡洗浄 温水泡洗浄 NA-VX8700L-W
特にパナソニックさんが力を入れているのが温水洗濯。
この機能はクリーニング屋的にはとーってもおススメです。
なぜならば洗濯水温というのは洗浄力に大きく関係してくるからです。
- 汚れが落ちやすくなる
- 酵素が働きやすくなる
- 漂白剤の効きが良くなる
- 油性汚れ(皮脂汚れ)が落ちやすくなる
少し挙げただけでも、汚れ落ちに関してこれだけのメリットがあります。
クリーニング屋が使う業務用洗濯機には必ず温度調節機能がついていて、水温を操ることにより高品質な洗浄が可能になるのです。
ということは温水洗濯ができると、家庭でもプロの洗いに近い品質を実現できるということなんですね。
洗濯槽が汚れない
東芝 7.0kg 全自動洗濯機 サテンゴールドTOSHIBA マジックドラム AW-7D3M-N
東芝さんの洗濯機では”マジックドラム”と呼ばれる、汚れがつきにくい洗濯槽を採用しています。
防汚コートというコーティングが施されているためカビが発生しにくく、いつもキレイな洗濯槽で洗濯できます。
さらに脱水時には高速回転の水の勢いで外層の内側の汚れまで取り除くとのこと。
しっかり洗っているつもりなのに洗濯物から嫌な臭いがしてくることはありませんか?
そのような臭いの原因の一つは洗濯槽の汚れなんです。
カビや雑菌と一緒にお洋服を洗っていると思うと、なんだかゾっとしますよね。
そのため、いつもキレイにしておかなければなりません。
定期的な洗濯槽の掃除はなかなか手間がかかるもの。
どうしても億劫になって、気づいたら何カ月も掃除していなかった、なんてこともよくあります。
そんな方は汚れない洗濯槽も大きな魅力ですね。
高圧洗浄
シャープ ドラム式洗濯乾燥機 プラズマクラスター搭載 10Kgタイプ 左開き ホワイト ES-ZH1-WL
シャープさんの洗濯機には”マイクロ高圧シャワー”という機能が。
100μm~500μmというとてつもなく小さい水滴を噴射することで、繊維の奥の汚れも落とすというものです。
これも汚れ落ちには好影響な気がします。
水滴を高圧で洗濯物に吹き付けるわけですから、ドラム式の叩き洗いと揉み洗いの合わせ技みたいな感じになるでしょうね。
さらにシャープさんの特徴としては”穴なし槽”といわれる特別な洗濯槽を採用しています。
皆さんご存じのとおり、洗濯槽にはこのように穴が開いていますよね。
この穴がありません。
本来は見えている部分の外側にも水が溜まるのですが、その水が必要なく節水が期待できるとのこと。
メンテナンスが少々難しそうな気がしますが、他メーカーさんにはない仕様になっています。
たっぷりの水で濯ぐ
日立 全自動洗濯機 ビートウォッシュ BW-V90A シルバー BW-V90A S
”ナイアガラすすぎ”という機能で、たっぷりの水を使ってとことん濯ぐことができるというもの。
”たっぷりの水で濯ぐ”なんて聞くと、これまでのものより地味な気がしますが(失礼!)、侮ってはいけません!
昨今では節水や時短なんてキーワードが流行っていますよね?
その反面そちらを優先するあまり、洗剤の濯ぎ残しが軽視されている気がします。
ある意味時代に逆行したこの機能は素晴らしいと思います。
個人的なイメージかもしれませんが、日立さんの洗濯機は良い評判をよく聞きますね。
クリーニング店はどんな洗濯機を使ってる?
「じゃあクリーニング屋ではどんな洗濯機を使ってるのよ?」というと、いわゆるパナソニックさんや日立さん等の洗濯機は使っていません。
ちゃんと業務用の洗濯機を作るメーカーさんがいるんです。
それでは先ほどの”マイクロ高圧シャワー”や”ナイアガラすすぎ”みたいな凄い機能がついてるのかというと・・・
なーんにもついてません(笑)
水温を調整して洗って→濯いで→脱水する
基本的にはこれだけです!
なんかそれっぽいタッチパネルがついてますけど、プログラムを組んでスタートする、という普通のことしかやりません。
むしろ個人的にはタッチパネルよりもボタンの方が壊れにくそうで好きです。(笑)
ここは少し家庭用と違うかも。
この洗濯機にはカップが3つ用意されています。
ここに柔軟剤や洗濯のり、クエン酸なんかの助剤を入れます。
それぞれ工程のどのタイミングで入るかは、プログラムを組んで自動で落としていくんです。
実は特殊な装置がついているわけではないんですね。
あっ、当然ですが容量は大きいです。
この画像の洗濯機で30kg。
弊社の工場には50kgなんていう大容量の洗濯機もあります。
それなのに何で汚れ落ちがいいの?
というと、基本的なことを守って洗濯物に適した洗い方をしているからです。
例えば・・・
汚れに合わせた洗剤と助剤を使う
クリーニング店ではベースとなる洗剤を状況に応じてカスタマイズ(助剤を調合)していくのが一般的です。
洗剤に関しても家庭用に比べて高性能というわけではありません。
むしろ、家庭用洗剤の方が優秀だったりします。
(家庭用洗剤は何にも考えずにそれだけ入れても、ある程度色んな汚れが落ちるように工夫されています。)
水温を細かく操作する
これは非常に重要な部分。
- 色落ちさせたくないから常温で
- タンパク質を落としたいから40℃弱で
- 漂白剤を効かせたいから50℃で
- 殺菌したいから80℃で
クリーニング店ではこんな風に水温を使い分けます。
特に汚れ落ちをアップさせるためには温水洗浄が欠かせません。
そういう意味では、温水洗濯ができるパナソニックさんの洗濯機はかなり高品質な洗浄が期待できると思います。
適した量で洗う
これも重要。
適した量とは、洗濯槽に対して洗濯物量が7分目~8文目ほどになります。
洗濯物が多すぎるとよくないのはお分かりいただけるかと思いますが、実は少なすぎても汚れ落ちは悪くなるんです。
効率よく汚れを落とすには、ある程度の重みが必要なんです。
この辺りは家庭洗濯でも同じなので、ぜひ実践してもらいたいポイントです。
機能と同じくらい洗い方が大切!
長々と洗濯機の選び方について書いてたのに、何やらおかしな方向へ・・・
と思われましたか?(苦笑)
でも本当に重要な部分なのでこのまま書かせてください!
洗濯機の機能がいくらよくても、その使い方を間違えれば本来の効果を得ることはできません。
洗濯機の機能はあくまで補助的な意味合いです。
機能を活かせるかどうかはあなた次第!
基本は必ず守って洗濯してくださいね。
まとめ
それではポイントをまとめていきましょう。
- 乾燥機能が使いたいなら洗濯乾燥機
- 汚れ落ち重視なら渦巻き式の縦型洗濯機
- 容量選びはとっても大切
- ”当たり”に出会えれば中古もアリ
- 最新機種は目玉機能をチェックしてみる
このなかでも、個人的に容量選びは絶対に妥協してほしくないポイントです。
洗濯物の詰め込みすぎは汚れ落ちの低下につながります。
このような洗濯の基本は必ず守って、洗濯機を上手に使いこなしてくださいね!