トマトは溢れた果汁が衣服につきやすく、特に子供さんは食事中に汚してしまうことも多いのではないでしょうか?
簡単に落ちそうで、実際はなかなか落ないシミ。
そんな汚れの一つがトマトのシミです。
インターネットの情報で本当に落ちるかプロのクリーニング店が検証する「ネットの情報それホント?」シリーズ、トマトのシミの落とし方編です。
ネット上の情報まとめ
- 台所用洗剤で下洗いする
- その後普段通り洗濯する
- 落なければ酸素系漂白を試す
解説
トマトに限らず様々なシミに対応する基本通りのシミ抜き工程ですね。
生のトマトだけではなく、トマトソースやミートソースなどもこの方法で対応可能です。
その際にはソースに含まれる油分をしっかりと落とすため、手順1の”台所用洗剤で下洗い”を念入りに行ってください。
それではこの方法で実際に落としてみましょう!
トマトを落としてみる
トマトソースが付着した子供服です。
前途のとおり、生のトマトではなくソース類の場合には下洗いで油分をしっかりと落とさなければなりません。
まずは油分をよく落とす台所用洗剤で下洗いします。
ぬるま湯で濡らした部分に洗剤をつけて揉み洗いしていくと汚れが順調に落ちていきます。
今回は綿の子供服なので細かいことは気にせず揉み洗いしたのですが、デリケートな素材の場合には力の入れ具合を加減していきましょう。
揉み洗い後はこのような状態です。
固形物は全て取り除かれ、薄く色素だけが残っています。
ここから酸素系漂白を試してみます。
トマトのシミ部分に酸素系漂白剤をつけて、
さらにアイロン(もしくはドライヤーなど)で加熱し漂白力を上げていきました。
さて、ちゃんと落ちるでしょうか?
若干薄くはなりましたが、まだ色が残っています。
実はトマトの黄色いシミはなかなか落ないのです。
ネット上の情報ではここまでが限界でした。
どれくらい落ちにくいのか実験
トマトの洗濯後に残るこの黄色いシミは少し厄介です。
今回のように漂白処理しても残ってしまうことがあります。
そこでどれくらい落ちにくいかを実験してみました。
色素を落とすプロ用の強力な薬品を使ってみます。
さらにあえて強めにシミ抜きしてみました。
その画像がこちらです。
いかがでしょうか?
衣服の花柄まで色が飛んでしまっていますが、黄色い色素は完全に落ちきっていません。
これほど強力な薬品を使っても簡単には落とせないのです。
それじゃあどうするの?
実はトマトの黄色いシミを落とす裏技があります!
トマトの色素はリコピンという成分です。
リコピンは紫外線により分解されて色が消えることがあります。
直射日光をガンガン当てて干せばいいんです!
今回のシミを約2時間紫外線に当ててみたところ・・・、
完全に落ちました!
最終手段で気持ちよく晴れた日に外干してみるのも効果的です!
※本来直射日光に当て続けることはお洋服にとってあまり良いことではありませんのでご注意ください。
実はこの方法、カレーのシミにも有効です。
カレーの色素であるクルクミンも紫外線によって分解されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ネットの情報だけでは落としきることはできませんでしたが、しっかりとした手順でシミ抜きし、裏技も併用すればしっかりと落とすことができました。
トマトのシミにお困りでしたら是非お試しください!
注意事項
- 全工程で水を使うので、水洗いできない素材の衣類は避けてください。
- お洋服の毛羽立ち、色落ちには十分ご注意ください。
- この方法は全ての衣類に適用できる万能な方法ではございません。不安な場合はクリーニング店へお任せください。
- シミの状態や素材によっては本記事と同様の結果になるとは限りません。