洗濯洗剤・漂白剤・仕上げ剤の種類と選び方を知りましょう!
- 投稿:2016.01.15
- 更新:2020.10.13
- 洗濯の基本

皆さん洗濯洗剤や仕上げ剤は何を使っていますか?
もしかして、テレビCMに好きな芸能人が出ていたり、セール品を適当に買ったりしてませんか?
ちょっと待ってください!
洗剤にも色んな種類があって、用途にあったものを選ばないと汚れ落ちに影響しますよ!
洗濯洗剤の種類
まずは家庭洗濯の主役、洗剤の種類から見てみましょう。
弱アルカリ性
一般的な弱アルカリ性の粉末洗剤です。
現在も主流の洗剤がこの粉末洗剤ではないでしょうか。
基本的な考えとして、液性がアルカリに傾くほど洗浄力が高くなりますので、綿やポリエステルの普段着洗いに最も適しています。
特に家庭で落としにくい汚れの代表格、皮脂汚れを落とすなら弱アルカリ性洗剤が優秀です。
酵素、漂白剤、蛍光増白剤などが配合され、とにかく汚れ落ち重視、白いものを白く洗い上げることに重点を置いた洗剤が多いのも特徴。
その反面、その洗浄力の高さゆえ、濃い色のお洋服では色落ちが心配されます。
(ほとんどの場合大丈夫ですが、”あくまで理屈上は”という意味です。)
ちなみに、アルカリに傾くと液体はジェル状に変化していってしまうため、弱アルカリ性洗剤というとほとんどの場合は粉末になります。
水温を上げたり、酸素系漂白剤と併用したりすることで、洗浄力と漂白力をアップし、クリーニング店の洗浄に近づけることもできますし、やはり一番使い勝手のいい洗剤といえるでしょう。
関連記事:汚れ落ち重視なら、やっぱり粉末の弱アルカリ性洗剤が最強?!
コンパクト洗剤
シェア数をグングン伸ばして、粉末に取って代わろうとしている液体洗剤は、中性洗剤になります。
基本的な考え方としては、弱アルカリ性洗剤よりも洗浄力は劣りますが、色柄物の色落ちを抑えてデリケートに洗うことができます。
しかし、これは液性だけを見た”基本的な考え方”です。
配合される界面活性剤や酵素などを工夫して、汚れ落ちを高めたものがほとんどなので、”中性だから汚れ落ちが悪い”ということではないのでご安心を。
このような中性洗剤は、どちらかというと台所用洗剤の考え方に近いかもしれません。
台所用洗剤は皮膚に負担がかからないよう中性や弱酸性で作られています。
でも、驚くくらい油汚れが落ちますよね?
それは界面活性剤の力で汚れを落としているからなんです。
さらに”すすぎ1回で時短家事&節約”や”ドラム式洗濯機にぴったり”など、現代人が好きそうな特徴も人気の理由ではないでしょうか。
関連記事:【時短家事のコツ】すすぎ1回のコンパクト洗剤を使ってみる!
デリケート衣類用
”ドライマーク用”、”おしゃれ着洗い用”などとも呼ばれる洗剤。
分類的には中性洗剤になります。
ニットなどのデリケート衣類を手洗いしても縮みにくいように、シリコンなどが配合されている事が特徴です。
シリコンでコーティングしてしまうことにより、ウール表面のスケールが開きにくくなり、結果収縮を抑える事ができるんです。
ただし、この洗剤を使えば絶対に縮まないというわけではありません。
洗剤の他に洗い方なども大きく関わってきますので。
また、洗浄力は高くないので、普段着洗いのメイン洗剤として使わないようご注意ください。
粉石鹸
洗剤ではなく石鹸です。
合成洗剤のように色んな物質が配合おらず無添加、環境にも優しいので、そのようなこだわりを持って使っている方も多いでしょう。
無添加ということで、ベビー衣類を洗うときにも使われます。
ただし、ある程度の知識とコツが必要で、間違えるとお洋服が黄ばんだりするなど、合成洗剤よりも難易度が高くなります。
手軽さという部分では、やはり合成洗剤が使いやすいでしょう。
ただ、いわゆる無添加系の洗剤は、環境志向が高い方々にとっては根強い人気があります。
赤ちゃん衣類を洗濯するために、無添加洗剤デビューされる方も多いですね。
関連記事:合成洗剤は使わない?!自然派洗濯用品をまとめてみた
柔軟剤入り洗剤
こちらは初めから柔軟剤が配合された洗剤になります。
リンスインシャンプーと同じですね。
本来は洗剤と柔軟剤を同時に入れてしまうと、効果を打ち消しあい、どちらの性能も発揮できなくなってしまいます。
しかし、このような柔軟剤入り洗剤は、そのように効果を失ってしまわないよう、工夫された洗剤になっているのです。
ただ、実際に使ってみた印象としては、やはり単体の洗剤に比べて汚れ落ちが劣るように思います。
使い勝手はいいかもしれませんが、よほどの理由がなければ洗剤と柔軟剤は別々に入れましょう。
仕上げ剤・漂白剤
洗剤と併用することで、プラスαの効果をもたらす仕上げ剤・漂白剤です。
柔軟剤
お洋服をふんわり手触り良くするための仕上げるための柔軟剤です。
その他にも帯電防止効果や除菌効果が期待できます。
現在主流なのは香りつきのもの。
「香り付けが洗濯の楽しみ!」という方も多いのではないでしょうか。
ただし、その流行により、香りが強すぎる柔軟剤も多いので適度な使用を心がけましょう。
より多く使った方が、フワフワ感が増したり、香りがしっかり残ると思われるかもしれませんが、その使い方は間違いです。
適量で使わないと、香りが強くなりすぎてむしろ異臭のレベルになってしまったり、吸水性が悪くなったりします。
柔軟剤は洗濯後に衣類へ残すものなので、最後のすすぎに入れそのまま脱水します。
しみ抜き剤
しみ抜き剤・・・、というより部分的な前処理剤と言ったほうが正しいかもしれません。
洗濯前に、汚れやすい襟や袖を下処理しておくことでひどい汚れも落ちやすくなります。
ぬるま湯で濡らしながら、しみ抜き剤をただつけるのではなく、しっかりと下洗いするつもりで使いましょう。
ちなみに、台所用洗剤や洗濯用固形石鹸でも代用可能です。
しみ抜き剤だから、というよりも洗濯前に下洗いすることに意味があります。
この一手間で汚れ落ちは格段に違いますので、是非お試しください。
関連記事:台所用洗剤(食器用洗剤)は、洗濯を助ける優秀な前処理剤!
洗濯糊
シャツをパリッとさせるための洗濯糊。
なかなか使っている人は少ないかもしれませんが、これが結構優れものなんです。
パリッとさせるだけでなく、糊でコーティングされることにより汚れがついても落ちやすくなるんです。
それがクリーニングに出しているワイシャツは、常にキレイな状態を保つことができる理由です。
糊付けする→洗濯で汚れが糊ごと落ちる→また糊付けする・・・、という好循環になるんですね。
また、くたびれてきたようなTシャツやポロシャツに糊付けすると、ハリが出て見栄えがよくなるというテクニックもあります。
使うタイミングは柔軟剤と同様脱水前です。
全ての衣類を糊付けするわけではないので、実際には個別に糊付けすることになります。
関連記事:お洋服が素敵な風合いに!【洗濯のり】の効果的な使い方
漂白剤
黄ばみなどを白くしたいときには、酸素系漂白剤が必須です。
どんなに洗浄力が高い洗剤でも、漂白剤が入っていなければお洋服は白くなりません。
漂白剤は洗いの時に洗剤と一緒に入れて使います。
さらに、温水を使うと漂白力がアップしますので、本気で白くしたいときには40度ほどのぬるま湯で洗うのがベストです。
除菌効果も期待できるので、普段の洗濯でも積極的に使いたいですね。
■漂白剤の選び方
酸素系以外にも塩素系や還元系などの種類がありますが、家庭で使える漂白剤は酸素系一択、と思っておいてください。
還元系は馴染みがないので手に取ることはないと思いますが、塩素系には要注意。
誤って付着すると一瞬にして色が抜けてしまうので、色柄物には絶対に使えません。
また、一度色が抜けてしまうと着色するのは非常に困難になるので注意が必要です。
塩素が付着すると、この画像のように色が飛んでしまいます。
こんなに濃色の柄でも一瞬です。(汗)
絶対に注意してくださいね。
■上手な使い方
酸素系漂白剤には液体と粉末の2種類がありますが、どちらも漂白効果はありますし、使い勝手の良い方を選べば問題ありません。
強いて違いを上げるとすれば、このようなイメージです。
- 粉末は、漬け置き漂白など、しっかりと漂白処理を行いたいときに向いている
- 液体は、普段の洗濯に+αで使い、洗浄力のアップと除菌効果を狙う
また、酸素系漂白剤を使うときにもっとも重要なのは、水温とアルカリです。
この二つが揃わないと、高い漂白効果は望めません。
酸素系漂白剤+弱アルカリ性粉末洗剤+40度以上の温水、が酸素系漂白剤が持つ本来のパワーを引き出す条件と覚えておいてください。
選び方
本当は弱アルカリ性洗剤と中性洗剤を両方揃えておいて、洗濯物の状態によって使い分けるのがベストです。
大きく分けて2種類の洗剤を用意しておくと使い勝手がよくなります。
洗浄力を高めたいときに使う洗剤
小さいお子さんがいたり、職業柄仕事着が汚れたりする場合には、迷わず”弱アルカリ性粉末洗剤”です。
汚れ落ちを重視するならこれで決まり!
アルカリを高めることで皮脂汚れなどのガンコな汚れも落としやすくなります。
また、ほとんどの粉末洗剤には酵素や漂白剤が配合されているので洗浄力がさらにアップします。
普段の洗濯で落ちなかった汚れやシミは、弱アルカリ性粉末洗剤+酸素系漂白剤+40度ほどの温水で漂白処理しましょう。
関連記事:黄ばみや黒ずみもコレで落とす!酸素系漂白剤の使い方をマスターしよう!
デリケート衣類洗剤も用意しておく
洗浄力重視の洗剤をメインに使い、さらに洗濯の幅を広げるため手洗い用の洗剤も用意しておきましょう。
色落ちや型崩れを抑える洗い方を行うと、お洋服を長持ちさせることにつながります。
さらにこのような洗剤を上手に使うと、ドライマークのカーディガンやセーターも洗うことができるのでおススメですよ。
関連記事:セーター・カーディガンを手洗い洗濯する【プロ直伝】の方法
まとめ
極論を言ってしまうと、日本の洗濯洗剤はどれも高性能。
実際はどれを買っても汚れはよく落ちます。(笑)
メーカーに特にこだわりがなければ、”ドラッグストアに行って、一番安くなっている弱アルカリ性粉末洗剤と中性洗剤を両方買う”というのも、もちろんOK。
”どの洗剤がいい”というよりも”洗剤の使い方”の方が重要だったりします。
そのような意味でも洗浄力が高い洗剤と、デリケート衣類用の洗剤を2つ用意しておいて状況によって使い分けるのがとっても大切なんです。