洗濯や掃除にアルカリは欠かせません。
そして基本的にはこのアルカリを強くしていくことで洗浄力をアップすることができます。
もしも、しっかり洗濯しているはずなのに「なんか汚れ落ちイマイチだなー」と感じているならば、アルカリについて考えてみてはいかがでしょうか。
アルカリ性について
PHが8以上11未満が弱アルカリ性、11以上がアルカリ性とされています。
身近なところでいうと、粉末洗剤や重曹、セスキ炭酸ソーダが弱アルカリ性。
マジックリンなどがアルカリ性になります。
アルカリのいいところ
冒頭お話ししたとおり、洗濯にとってアルカリは大切な役割を果たします。
まずは、こんな良いところがあるんだよー、って部分をご紹介します。
油汚れをよく落とす
もうちょっと詳しく言えば、落とすのではなくアルカリが油分と反応して石鹸のようなものに変化し、他の汚れとくっついてお洋服から離れていくんです。
(汚れを剥がしたりする、”落とす”というイメージは界面活性剤の方が合ってるかもしれません。)
普段の洗濯ものに付着する汚れには、食べこぼしなど油分を含んだ汚れが多いといわれていますので、アルカリが効果的なんです。
タンパク質を分解する
アルカリはタンパク質を分解する働きをします。
皮脂汚れ、血液やミルクなどなど、タンパク質を含んだ汚れもお洋服にはよく付着しています。
分解されたタンパク質はお洋服から離れやすくなりますので、汚れ落ちがよくなるんです。
漂白力が上がる
酸素系漂白剤を使った漂白処理にもアルカリが活躍します。
基本的にはアルカリを強くしていくと漂白力も上がります。
市販されている酸素系漂白剤には最初からアルカリ剤が入っているものもありますが、状況に応じて洗剤やアルカリ剤を足すことで、漂白力を操作することができるんです。
注意しなければならないこと
ここまでは良いことばかりを書いてきましたが注意しなければならないポイントもあります。
正しく使うために、デメリットについても知っておきましょう。
色落ちしやすくなる
洗浄力が上がれば当然色落ち、繊維の劣化などの危険性も高まってきます。
これはアルカリだけの問題でなく、水温を上げたり洗う力を強くすれば洗浄力は上がりますが、その反面お洋服への負担が大きくなるという、洗濯全般に共通する部分です。
人の肌に影響がある
先ほどアルカリはタンパク質を分解するとお話ししましたが、それはお洋服のタンパク質汚れだけではありません。
人の肌のタンパク質にも影響します。
そのため、強いアルカリ性の物質に触れると、肌の表面がヌルヌルしてきたり、ピリッと刺激を感じることがあります。
温泉に入ると肌がヌルっ?というかツルっ?としてきますよね。
これはその温泉の水質が弱アルカリ性だからです。
取り扱う時には、必ずゴム手袋を着用してくださいね。
アルカリ性の洗濯用品
冒頭で少し触れましたが、身近なところにもアルカリ性の洗濯用品があります。
こちらも把握しておきましょう。
一般的な粉末洗剤は弱アルカリ性です。
汚れ落ちを重視するなら迷わず粉末洗剤を選びましょう。
洗濯に掃除にと、いろいろ使える便利な重曹も弱アルカリ性。
洗濯洗剤にプラスして使うのも効果的です。
こちらは家庭に常備されている方は少ないかもしれませんね。
重曹よりも少し強い弱アルカリ性。
パッケージにも書いてある通り、汚れ落ちを求めるこだわりの洗濯に。
【業務用 油汚れ用洗剤】マジックリン 除菌プラス 4.5L(花王プロフェッショナルシリーズ)
家庭にあるもので、強いアルカリ性といえばマジックリンなどの掃除用品です。
これまで紹介してきたものの中でも特に強いアルカリ性で、使いどころを間違えなければ洗濯にも強い効果を発揮してくれます。
まとめ
このようにアルカリは洗浄力を左右する重要なポイントで、それを上手に操作することで落ちなかった汚れも落とせるようになります。
やはり、家庭で手っ取り早く強いアルカリを使いたいときには、最後に紹介した掃除用品などがいいですね。
ただし、ご説明した通り色落ちなどお洋服への負担も大きくなります。
デリケートな素材や色落ちしやすそうな濃色のお洋服には特に注意してくださいね。