家庭用品品質表示法により衣類がどんな繊維を使って作られているか表示するように定められています。
皆様のお洋服には必ず組成表示が記載されています。
我々プロのクリーニング店も、お客様からお預かりしたお洋服をクリーニングする際には必ず確認します。
組成表示とは
組成表示は、皆様のお洋服に使われている繊維とその混用率をパーセントで表示しています。
衣類の裏側についているこのようなタグが組成表示です。
このお洋服には、なんと5種類もの繊維が使われています。
綿、ポリエステルなどお馴染みの繊維から、合成皮革、ポリウレタンなどあまり聞いたことがないような繊維まで使われています。
購入された消費者様のアフターメンテナンスのためにこのような表示がされています。
しかし、そのお洋服に使われている全ての素材を表示しなければならない訳ではないので、ボタンや装飾、ごく一部にしか使われていない繊維などは除外されます。
そのお洋服を構成している主要部分の繊維を表示します。
クリーニング店では主要部分の組成を見ながら、ボタンの形状、材質、装飾の状態などを確認し適切なクリーニング方法を選択しています。
繊維の名前
組成表示に記載できる繊維名は決められています。
表示法に定められている指定用語は以下の通りです。
繊 維 | 指定用語(表示名) | |
綿 | 綿 | |
コットン | ||
COTTON | ||
毛 | 羊毛 | 毛 |
羊毛 | ||
ウール | ||
WOOL | ||
アンゴラ | 毛 | |
アンゴラ | ||
カシミヤ | 毛 | |
カシミヤ | ||
モヘヤ | 毛 | |
モヘヤ | ||
らくだ | 毛 | |
らくだ | ||
キャメル | ||
アルパカ | 毛 | |
アルパカ | ||
その他のもの | 毛 | |
絹 | 絹 | |
シルク | ||
SILK | ||
麻(亜麻及び苧麻に限る。) | 麻 | |
ビスコース繊維 | 平均重合度が450以上のもの | レーヨン |
RAYON | ||
ポリノジック | ||
その他のもの | レーヨン | |
RAYON | ||
銅アンモニア繊維 | キュプラ | |
アセテート繊維 | 水酸基の92%以上が酢酸化されているもの | アセテート |
ACETATE | ||
トリアセテート | ||
その他のもの | アセテート | |
ACETATE | ||
プロミックス繊維 | プロミックス | |
ナイロン繊維 | ナイロン | |
NYLON | ||
アラミド繊維 | アラミド | |
ビニロン繊維 | ビニロン | |
ポリ塩化ビニリデン系合成繊維 | ビニリデン | |
ポリ塩化ビニル系合成繊維 | ポリ塩化ビニル | |
ポリエステル系合成繊維 | ポリエステル | |
POLYESTER | ||
ポリアクリルニトリル系合成繊維 | アクリルニトリルの質量割合が85%以上のもの | アクリル |
その他のもの | アクリル系 | |
ポリエチレン系合成繊維 | ポリエチレン | |
ポリプロピレン系合成繊維 | ポリプロピレン | |
ポリウレタン系合成繊維 | ポリウレタン | |
ポリクラール繊維 | ポリクラール | |
ポリ乳酸繊維 | ポリ乳酸 | |
ガラス繊維 | ガラス | |
炭素繊維 | 炭素繊維 | |
金属繊維 | 金属繊維 | |
羽毛 | ダウン | ダウン |
その他の羽毛 | フェザー | |
その他の羽毛 |
消費者庁家庭用品品質表示法ページより引用
クリーニング店にとっての組成表示
「プロのクリーニング店なのに見ただけで素材がわからないの?」
そんなお声も聞こえてきそうですね。
実際は経験や知識からある程度の予測はつきます。
しかし、その感覚だけでクリーニング方法を決めている訳ではありません
経験、知識にプラスして実際の情報をインプットしてからクリーニングを開始します。
使われている繊維を把握しておく事で洗浄方法、しみ抜き方法、行ってはいけない処置を判断していきます。
組成表示は製造メーカーさんが付けている唯一の情報源です。
皆様にとってもクリーニング店にとっても重要な表示なんです。
大切な表示です
このように組成表示とは皆様にとって、とても大切な表示です。
組成表示はできれば購入する前に確認したいものでもあります。
「安かったから買った洋服だけど、家で洗えないからクリーニング代の方が高くついちゃった(泣)。」
なんていうお話もよく耳にします。
これでは経済的にもよくありませんし、使い捨てのようになってしまっては環境にもよくありません。
お洗濯の時に確認するのも重要ですが、購入前に確認し、”アフターメンテナンスが楽が?”、”耐久性のある繊維が使われているか?”などを判断する材料としても役に立ちます。
ぜひ気にして組成表示をご覧になってみてください。