【ネットの情報それホント?】油性ペンの落とし方

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油性ペンの落とし方
ネットで「油性ペン(マジック) 落とし方」と調べると出てくる方法を、プロのクリーニング店が試してみます!
さて、本当に落ちるのでしょうか?

その真実はこちら!

ネット上の情報まとめ

ネット上の情報で一番多いのは消毒用エタノールを使用する方法です。
油性ペンのインクはアルコールを溶剤として使用しているため、しみ抜きには消毒用エタノールが効果的とのこと。

そのしみ抜き手順はこちらです。

落とし方

  1. しみの下にタオルを敷く
  2. エタノールをつけて上から叩く
  3. タオルをずらしながら1&2の作業を繰り返す

ペンのインクをタオルに移していくイメージです。
下に敷く用、上から叩く用の2枚のタオルを使って挟み込むようにしながら落としていきます。

インクの再付着を防ぐためタオルの位置は随時移動させていきます。

試してみました

用意するもの

汚れてもいいタオル2枚と消毒用エタノールを用意しました。

プロのしみ抜きではエタノールは使いませんが、タオルは使用します。

インクをタオルに移していくという作業は正解です。

油性ペンがついた布油性ペンでしみを付けた試験布を用意しました。

こちらのインクを落としていきます。

しみ抜き手順2

試験布の下にタオルを敷き、エタノールをつけてみます。

しみ抜き手順3

滲んできました。

しみが動くということは効果があるということです。
インクは安易に手をつけると、しみ部分が広がり被害が拡大することがあります。

家庭しみ抜きでよくある失敗例です。
画像のような滲み具合ではその後の処理で落ちますので問題ありません。

しみ抜き手順5

下のタオルを見てみるとこんな感じでインクが移っています。

効果がゼロではないみたいですね。

しみ抜きの結果1

5分ほど作業を続けてみました。

確かにインクが移っているようです・・・、が!試験布の方はまだ濃いままです。

このペースで落としきれるとは思えません・・・。
しかもだんだんと移るインクの量が少なくなっています。

私はこの時点で挫折してしまいましたが、効果が全くなかった訳ではありませんでした。
同じ作業を数時間繰り返したとしたらどのような状態になったかはわかりません・・・。

ただ感覚から言うと、綺麗に落とし切れるほど効果的な方法とは感じませんでした。

違う方法を試してみました

エタノールは残念な結果でした。
でも、もう少し効果的でご家庭でできる方法があれば嬉しいですよね。

ということで他にも試してみました。

クレンジングオイルを使う

クレンジングオイル

油性ペンということで、油性汚れ(化粧品)を落とすクレンジングオイルを試してみました。

ネットではエタノールを使うという情報が一番多く、クレンジングオイルに関する情報はあまり見かけませんでしたね。

さて、どのくらい効果があるのでしょうか?

クレンジングオイルで落とす手順1

ご覧の通り効果はありそうですね。

しかも、タオルに移っているインクの量がエタノールの時よりも濃い(多い)ように見えます。

もうしばらく続けてみましょう。

クレンジングオイルで落とす手順2

やはりエタノールよりもクレンジングオイルの方が効果が高いようです。

タオルに移っているインクの量から見ても確実に落ちています。
しかし、試験布の見た目はほぼ変わりません。

確実に落ちてはいるのでしょうが、期待するほどの変化は見られませんでした。

追記:さらに違う方法を試してみました

ご家庭でもできるもう少し効果的な方法はないか調べると除光液が使えるという情報が。
早速試してみました!

除光液を使う

除光液

アセトン入りの除光液が油性ペン落としに効果的とのこと。

油性ペンのインク成分と除光液の成分が同じ有機溶剤を使っているためインクを浮き上がらせて落とすそうです。

それでは作業開始!

除光液で落とす1

除光液をタオルにつけて叩いてみます。

除光液で落とす3

下のタオルを確認してみます。

確かに落ちていますね。
しかもエタノールより濃く移っているように見えます。

これは期待できますね!
さらに続けてみます。

除光液で落とす4

・・・ん?

最初こそ効果がありそうでしたが徐々にインクが移らなくなり、10回目を過ぎた頃には全く落ちなくなりました・・・。

なかなか難しいですね。

試しに再度クレンジングオイルを使ってみました。

もう一度クレンジングオイルを使う

なんと!またインクが落ち始めました!
(試験布上下のインクがクレンジングオイルで落ち始めたものです。)

油性ペン落としの最有力候補はクレンジングオイルで間違いなさそうです。

油性ペン落としのまとめ

タオルに移っているインクを見ればわかる通り、エタノールやクレンジングオイルは確実にしみを動かしています。
「効果が全く無い」というわけではございませんでした。

特にクレンジングオイルは時間をかけて根気よく作業すれば目に見える変化があるかもしれません。
もう少し明らかな変化があれば良かったのですが、少し残念な結果でした。

油性ペンのしみ抜きのような根気のいる作業はモチベーションの維持も大切です。
「落ちてきた!」という実感があればインクを叩く手にも力が入るものですが・・・。

追記:エタノール、クレンジングオイルに加えて除光液を試してみましたが、やはり一番効果があったのはクレンジングオイルでした。

補足事項

  • 複数種類の油性ペンで試した訳ではございません。油性ペンの種類によって結果が違うかもしれません。
  • 長時間作業を行えばさらに薄くなっていく可能性があります。今回の作業時間は10分弱です。
  • お洋服の素材や色の濃淡によってはこのような作業ができない場合があります。ご注意ください。
  • 試験布の油性ペンはかなり濃く付着していましたが、もう少ししみが薄かったり範囲が狭い場合には目に見える効果があるかもしれません。

プロのしみ抜き

「それじゃ服に油性ペンがついたら諦めるしかないの?」
そんなことはございません。

そのためにプロのクリーニング店があります。

プロがしみ抜き1

プロのしみ抜き剤と機械を使用して同じく10分程作業した状態がこちらです。

すでにかなり薄くなっています。

ここからさらに作業を進めていくと・・・。

プロがしみ抜き2

ほぼ完全に落ちました!

「どうしても落としたい!」
そんな油性ペンのしみは是非クリーニング店に相談してみてください。

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