油汚れがついた洋服の洗濯方法と、ひどい油汚れの落とし方
- 投稿:2015.05.25
- 更新:2020.12.10
- トピックス

家庭の水洗い洗濯では落としにくい汚れの代表格が”油汚れ”です。
お察しのとおり、水と油は相反するものなので、水洗いではどうしても油汚れは落としにくくなってしまいます。
なかなかキレイにならないので、半ば諦めてお洗濯している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、まだ諦めないでください!
こちらでは油汚れの落とし方と、家庭にあるものを使った上手な洗濯方法をご紹介しますよ!
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ちょっとした油汚れがついた時の洗濯方法
食事中についてしまったちょっとした油汚れは、手早く処理することで簡単に落とすことができます。
こちらの画像はマヨネーズがついてしまった子供服です。
このような事態はよくありますよね。
さらに時間が経つと・・・、
このように繊維へ浸透していき、油染みができてしまいます。
そんな時はちょっとした一手間を加えてみましょう。
油汚れを落とすものといえば、台所用洗剤です。
台所用洗剤は優秀な前処理剤なんです。
それを使って、事前に揉み洗いしておきましょう。
その後、普通にお洗濯すると・・・、
このようにキレイに落とすことができます。
食べこぼしは油性と水溶性の汚れが混ざり合っています。
マヨネーズだけでなく、目立つ汚れには台所用洗剤で前処理しておくとキレイに洗いあがるので是非お試しください。
ひどい油汚れの落とし方
”落とし方”といっても厨房で使うコックコートや前掛け、機械油のついた作業着などは、完全に落とすのは難しいのが現実的なところです。
しかし、そのような仕事着はできる限り落としておかなければすぐに着用できない状態となってしまいます。
ひどい油汚れは通常のお洗濯ではほぼ落とすことはできません。
手間はかかりますが、最大限落とす方法をご紹介いたします。
熱湯で下洗いする
こちらは厨房で使用している前掛けです。
油を含んだ様々な汚れが付着し、かなり汚れています。
このような油汚れは、普通にお洗濯してもほとんど落ちません。
70~80度の熱湯に洗濯洗剤を溶かして洗浄液を作り、前掛けを漬け込みます。
家庭用洗濯機はこの温度の熱湯を入れるように作られていないので、バケツなどを使用しましょう。
(洗濯機の耐用温度についてはこちらが詳しいです。日本製ではおそらく50度位までになっていると思います。)
たまに撹拌しながら30分ほど漬け込みました。
画像を見てわかるとおり、油分が溶け出してきています。
取り出してみるとこんな感じです。
軽くすすぎ、熱湯により油汚れが動きやすくなっている状態のまま間を置かず洗濯してしまいます。
洗濯する
洗濯後の状態がこちらです。
長い年月で蓄積した汚れは落ちませんが、ギトギトした油分や全体的な汚れ、特有の臭いはかなり落ちています。
しかし、普通にお洗濯しただけではこのような洗い上がりにはなりません。
洗浄力を高めるポイントが3つあります。
1.弱アルカリ性洗剤を使う
油汚れは酸性なので(機械油やグリスは違いますが)、逆の性質を持つ弱アルカリ性洗剤で中和して洗います。
一般的な洗濯洗剤は弱アルカリ性です。
間違ってもデリケート衣類用の中性洗剤は使用しないようにしましょう。
そのような洗剤は、汚れ落ちよりもお洋服へのダメージを最小限に抑えて風合い良く、型崩れなく洗うことを目的としている洗剤です。
汚れ落ち重視なら弱アルカリ性粉末洗剤!と覚えておきましょう。
関連記事:汚れ落ち重視なら、やっぱり粉末の弱アルカリ性洗剤が最強?!
2.お湯で洗う
油汚れはお湯で洗ったほうが落ちやすくなります。
40~50度ほどのお湯を使って洗濯しましょう。
こびりついた油も緩くなり洗浄力も高まります。
3.酸素系漂白剤を使う
酸素系漂白剤は40度以上の温水で使用すると活発に働き、酸素を発生させます。
その酸素が汚れを剥がし落とすので、油汚れも落ちやすくなります。
関連記事:黄ばみや黒ずみもコレで落とす!酸素系漂白剤の使い方をマスターしよう!
機械油も同じ方法で
機械油がついた作業服も同じような方法で洗うことができます。
このように機械油が付着して黒くなっている作業服も、
このようにキレイになります。
しかし、画像よりもベッタリと油がついているような作業服はなかなか落ちず、状態によっては洗濯槽に油臭が残る場合があります。
というよりも、そもそも動物性油や植物性油と機械油は成分が違います。
機械油は特に熱湯での洗濯が効果的です。
熱湯に近いお湯に浸け置いて汚れを動きやすくしてから洗濯するのが〇。
そして、事前下洗いを念入りに行うことも重要です。
灯油が付着した場合には?
油系のトラブルとしては、灯油を取り扱っているときに誤ってこぼしてしまい、衣服などに付着してしまうこともよくあります。
黒い影のような油ジミと、特有の臭いが落ちずに困ってしまった方もいらっしゃることでしょう。
こういった場合には間違った処理を行わないようご注意ください。
- 風通しの良い場所に干して灯油を揮発させる
- 付着した部分がわかっているなら台所用洗剤で下洗いして洗濯する
慌てて洗濯しても、灯油が残留している間は、何度洗っても落とすことはできません。
まずは灯油を揮発させてしまうことから始めましょう。
広範囲に付着していたり、残留しやすい箇所がある場合には、クリーニング店に依頼してしまいましょう。
関連記事:知っておくと安心!灯油を服にこぼした時のニオイ消しと洗濯について
乾燥機の使用は避けましょう!
ちょっと話は逸れるかもしれませんが、大量の油を含んでしまった洗濯物は、乾燥機は使わないよう注意してください。
油分が残ったまま乾燥機で乾かすと、自然発火して火災になる恐れがあります。
これは大げさに言ってるのではなく、実際に事故が起こってしまっているのです。
調理場で使用したふきん、マッサージ店で使用したオイルを含んだタオル…など、が乾燥機の中で発火する事例がよく聞かれます。
自然発火とは、物質が空気中で酸化することで自然に発熱し、その熱が長時間蓄積されて発火点に達し、物質自身から発生した可燃性ガスや、周囲で接している可燃物を燃焼させる現象のことをいいます。今回の事例は全てこの自然発火によるものです。また、繊維状のものは表面積が広く、酸素との接触面が大きくなるため、酸化反応を起こしやすくなっています。
出典:「衣類乾燥機からの出火事例」神戸市消防局予防部予防課
ここまで読んでいただいた方は、油汚れを落とすのは思いのほか難しいということは理解していただいていると思います。
普通に洗濯しても、完全に落ちていないことが多いんですよね。
大量に油分を含んでしまった洗濯物は、乾燥機を使わず、自然乾燥するように注意してください。
まとめ
ポイントは温度と洗剤の選別です。
軽い油汚れなら台所用洗剤で下処理してから洗えば落ちますが、ひどい油汚れを落とすためには、70~80度の高温洗浄が必須となってきます。
洗剤は必ず弱アルカリ性粉末洗剤で。
また、少々値は張ると思いますが、コックコートや作業着を洗うハードウォッシュ用の洗濯洗剤も市販されています。
どうしても油汚れが落ない場合にはこのような洗剤も検討してみてください。
作業着用洗剤についてはこちらのページが詳しいです。
関連記事:ひどい機械油汚れもドンと来い?!その落とし方と作業服用洗剤まとめ
汚れた衣類をまとめてクリーニングするなら、ネットで注文できる宅配クリーニングも便利。
まとめ出しなら、〇着〇〇円みたいなパック料金の宅配クリーニングがお得です。
しかし、蓄積した汚れまでもう少しキレイに落としたいところですよね・・・。
今回は、”買い足さなくてもご家庭にあるもの”をテーマに洗濯方法をご紹介しましたが、もっと効果的な洗剤、助剤があれば追ってご紹介いたします!