麻についてのお話
家庭用品品質表示法でいう「麻」は、亜麻(リネン)と苧麻(ラミー)の2種類です。
麻には他に大麻や黄麻がありますが、これらは衣料品には使われず、紐や袋などの資材に使用されます。
亜麻はヨーロッパで、苧麻はアジアで昔から使用されていたそうです。
それぞれに特徴があり、亜麻は一般のカジュアル衣類向けで綿製品のような身近さがあり、苧麻は光沢があり高級衣料向けのようです。
夏用の高級衣料(スーツやシャツ、ワンピース、ブラウスなど)に使用されます。
麻の特徴
天然繊維の中で最も強度があり丈夫、品の良い光沢と涼感、優れた吸湿性を持つ、など夏の衣類に適しています。
染料を吸収しにくく、染まっても脱色しやすい繊維です。
摩擦により毛羽立ちを起こしやすく、シワになりやすい傾向があります。
麻製品のクリーニング
前途のとおり、染料を吸収しにくく、色落ちや変退色の危険性があります。
特に濃色のものはクリーニング(洗濯)後に風合いが変化する可能性が高いです。
また、摩擦による毛羽立ち、洗濯によるシワが起きやすいのでアイロンがけには技術が必要です。
(麻のシワは「傷」に近いものがあるのでアイロンがけで全て消えるわけではありません。)
これらは、クリーニングの失敗ではなく、素材がもつ特徴で麻製品を着込んでいく上での味とも言えます。