「ゴアテックスって洗濯できますか?」
「洗って撥水性能は落ちませんか?」
宅配クリーニングのお洗濯.netにはこんなお問い合わせが多く寄せられます。
ゴアテックス素材の衣類は高価ですし、その後のメンテナンスで性能が落ないか心配されている方が多いのでしょう。
こちらではそんな疑問、不安解決に役立つ情報をお届けしますよ!
ゴアテックスとは?
アメリカのWLゴア&アソシエイツ社が製造販売する防水透湿性素材の商品名が「ゴアテックス」です。
その名称があまりにも有名なため一つのブランドのようになっていますが、衣類を構成する素材の名前です。
最大の特徴は「水は通さないが、通気性がある」ということです。
ゴアテックス登場以前のレインウェアは、防水仕様となれば通気性がなく、雨が小降りでも自らの水蒸気で蒸れて濡れてしまうような状況です。
そんな状況をゴアテックスが一変させました。
その構造は?
GORE-TEXメンブレンというフィルム状の素材がカギを握っています。
簡単に言えば、水よりも小さい穴がたくさんある素材で、そのため水は入り込まないが通気性があるということです。
このフィルム状素材を表生地と裏生地でサンドイッチした素材が衣類に使われています。
1枚の生地のように見えますが、このような3層構造になっています。
メンテナンス方法
ここで本題ですが、「ゴアテックス製品は洗えるか?撥水性能は落ないか?」という疑問です。
結論を申し上げますと・・・
洗えますし、撥水性能は落ちるどころか強化されます!
このあたりは、公式ホームページでも詳しく解説されています。
むしろ、汚れたまま長期間洗っていないとその性能は落ちていくそうです。
日頃のお手入れ
上記の通りゴアテックスは洗えます。
取り扱い絵表示に従い洗濯しましょう。

撥水性能のある衣類のいいところは汚れが付着しにくいことです。
汚れがついたとしても、その撥水性能のおかげで繊維の奥まで浸透せず落としやすくなります。
洗濯手順
それでは詳しい洗濯手順を見てみましょう。
1.下準備
ウェアのファスナーをすべて閉じます。
これは洗濯中にファスナーが生地に当たって損傷しないようにするためです。
その時にポケットに忘れ物が無いかしっかり確認しておきましょう。
スキーウェアなんかはリフト券なんかが入ってることが多いです。
水洗いしたときにバラバラになって大変なことになってしまうので注意しましょうね。
2.洗濯する
液体洗剤で洗濯します。
粉末洗剤や柔軟剤、漂白剤はしないようにしましょう。
通気性を保つための小さな穴がふさがって蒸れてしまう可能性があるそうです。
液体洗剤ならどのような種類でも大丈夫ですが、このようなウェア専用洗剤も市販されています。
NIKWAX(ニクワックス) LOFTテックウォッシュ EBE181 【洗剤】
気になる方は試してみてもよいのではないでしょうか。
洗濯機のコースは濯ぎが3回以上のコースを選んで洗剤成分を残さないようにするのがポイント。
汚れが少ない場合には、ファスナーや付属品の損傷を防ぐため洗濯ネットを活用するのもおススメです。
3.乾燥
こちらでも損傷を防ぐため、自然乾燥と乾燥機を併用するのがよいでしょう。
自然乾燥であらかた乾かしておき、最後に仕上げとして乾燥機を使うのです。
公式サイトにも記載がありますが、ゴアテックスは熱をかけてあげると撥水性能が向上するそうです。
温風乾燥で20分が推奨されています。
4.仕上げ
最後に軽くアイロンをかけましょう。
当て布をして低温(スチーム無し)で仕上げます。
やはりここでも熱をかけることが撥水性能を高めるためのポイントなので、例えシワがなくともアイロンを当ててあげた方がよいでしょう。
5.撥水加工する
ゴアテックスといえども、着用を繰り返していくうちに撥水性能が低下してくるそうです。
上記のようにしっかりと熱をかけてお手入れしているにもかかわらず「なんか撥水が効かなくなってきたな・・・。」と感じたら、撥水加工を施してあげましょう。
NIKWAX(ニクワックス) TX.ダイレクトWASH-IN EBE251 【撥水剤】
こちらは先ほど洗剤としてもご紹介したニクワックスシリーズの撥水加工剤。
3M スコッチガード はっ水・防汚スプレー 衣類・布製品用 345ml SG-P345i
一般的なお洋服用の撥水スプレーでももちろんOKです。
クリーニング店の強力な撥水加工もおススメです。
スプレーではなく撥水剤の溶液に漬け込む方法が主流なので、全体にムラなく撥水性能を付与させることができます。
ガッチリ撥水性能を持たせたいならプロのクリーニングがおすすめです。
クリーニング店での対処方法
ゴアテックスという名前がブランドとして一人歩きしているような感覚ですが、単純に衣類を構成する素材の名前です。
公式ホームページでも、撥水性能が落ちることはないが衣類なので常識的な範囲内での衣類としての経年劣化があるとの説明があります。
もちろんクリーニング店でも衣類として適切なクリーニング方法を選別しクリーニングします。
組成表示、取り扱い絵表示、ファスナー・ボタンの形状など基本的な部分も確認します。
さらに撥水性能は熱をかけることにより強化されますので、乾燥~仕上げ工程でしっかりと熱をかけていきます。
ご家庭で洗濯される際にも、取り扱い絵表示をよく確認して洗濯し、当て布+アイロンの蒸気で熱を加え撥水性能を高めましょう。
【ゴアテックス素材のスキー・スノーボードウェアクリーニングはこちら】
まとめ
このようにゴアテックス素材といえど、全く問題なく洗濯できます。
むしろ、しっかりメンテナンスすることで撥水性能も向上します。
また、この撥水性能を高めるためには熱を加えてあげること。
洗濯工程の中で、乾燥機の温風やアイロンの熱を加えてください。
これで常に清潔で、バッチリ撥水性能があるゴアテックスウェアを着用できますね!