羽毛布団を洗濯(クリーニング)する最適な頻度を考える

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羽毛布団のクリーニング頻度を考える

「羽毛布団はどれくらいの頻度で洗ったらいいんだろう・・・?」
羽毛布団はクリーニング代も高いですし、見た目が綺麗なら洗うのを躊躇してしまいますよね。

実際に頻繁に洗う必要はありませんし、羽毛のためにはクリーニング回数を減らすことはいい事です。
こちらでは羽毛布団を洗う最適な頻度を考えてみます。


洗濯頻度はどれくらいがいい?

クリーニング店としては何度もお出しいただければありがたいことですが、布団自体を傷めてまでクリーニングしていただくわけにはいきません。
どれくらいの頻度が適当なのでしょうか?

まずは各専門家のご意見を。

厚生労働省の見解

厚生労働省は「旅館業における衛生等管理要領」において、ホテル、旅館業者に対し「布団、枕は6ヶ月に1回以上、汚れを除去するために丸洗いすることが望ましい」としています。
自分で使う布団と、お客様に使っていただく布団とでは取り扱いのニュアンスが違いますが、なかなか高い洗濯頻度を推進しているのですね。

もちろん環境や汚れ具合によっても違いますが、個人的には多いかな?と感じますね。

月に一度は加熱処理

さらに、定期的に天日干しとハタキを行い、月に1回は加熱処理を勧めています。

洗う以外にも定期的にメンテナンスするということです。

布団メーカーの見解

某大手布団メーカーさんに聞いてみました。
返答は「目立つ汚れがなければ、羽毛布団自体を丸洗いする必要はない」とのことです。

もちろん”丸洗い以外”のメンテナンスは必須ですが、推奨する洗濯頻度は無いというのはこちらも少し驚きでした。

何もしなくていいわけではない

ただし、丸洗いの必要がないというだけで、何もしなくていい訳ではありません。

  • 布団カバーはこまめに洗濯する
  • 定期的に天日干しする
  • 万年床にしない

このようなメンテナンスをしっかりとしていることが前提になります。

カバーの洗濯などは当然として、少し面倒なのは干すことでしょうか。
しかし、羽毛布団は吸湿性、放湿性に優れているため天気のいい日に2時間も干せば十分です。

頻度も月に1~2回ほどでよいと思いますので、それほどの労力にはなりません。


だから!どれくらいがいいの?

「半年に1回」と「洗わなくていい」というあまりに極端な違いで判断に困ってしまいますね。
しかし共通して言えることは、天日干しやカバーの洗濯など日頃のメンテナンスは必ず行うということです。

そのようなお手入れをしていることを前提としてお話します。
機能的、感覚的、経済的に考える洗濯頻度3パターンをご提案いたします。

2~3年に1回

クリーニング屋的に言うと、全く洗わないというのは考えられません。
目安として2~3年に1回の頻度でクリーニング(洗濯)するのはいかがでしょうか。

確かに、羽毛布団は放湿性がよく湿気を発散させやすいのですが、皮脂や汗に含まれる塩分、ダニ、ホコリやチリまで発散させることはできません。
それらは洗わない限り布団の中に溜め続けることになります。

結果として羽毛が汚れ布団全体のボリュームダウン、保温性の低下につながります。
もちろん使用する環境にも左右されますが、ある程度の間隔でクリーニング(洗濯)は必要と考えます。

1年に1回

機能的な問題ではなく”どうしたら気持ちよく使えるか”という個人の感覚的な部分から考えると1年に1回は洗いたいという方もいらっしゃるでしょう。
暖かくなって羽毛布団を使わなくなる時期、いわゆる春の衣替えシーズンには衣類だけでなく布団も洗ってから収納したくなります。

実際に、羽毛布団が一番クリーニングに出るのはこの時期です。
確かに、しっかりと洗った布団だと来シーズンも気持ちよく眠れそうです。

機能的に大丈夫だからといって、何年も洗っていない布団で眠るのが心地よくないと感じる方も多いのではないでしょうか?
そのような不安感が良い睡眠を妨げてしまっては本末転倒です。

個人的な感覚に従って、「使ったら洗う!」というのも最適な頻度といえるでしょう。

打ち直しor買い替え

もはやクリーニングせずに、打ち直しや買い替えを考えてみます。

羽毛布団といっても数万円~100万円以上とその購入金額には幅があります。
婚礼品などの高価で思い入れのある羽毛布団はできる限り長く、できれば一生使い続けたいでしょう。

その場合にはくたびれた側生地を張り替える”打ち直し”が一般的です。
打ち直しは生地を替えるだけでなく、同時に中の羽毛を洗浄し、足りない分の羽毛を追加して新品同様に仕上げる手法です。

目安としては10年に1回となります。
(羽毛自体の寿命が5~60年だそうなので、定期的に打ち直しすることで本当に一生ものですね。)

買い替えは・・・、あまり考えず日々のメンテナンスと上記のような頻度のクリーニングでできる限り使いましょう!
(購入金額とメンテナンス費のバランスが合わないので、打ち直しまでする必要はないかもしれませんが。)


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