礼服など黒のフォーマルウェアは風合い変化(テカり)を感じやすい衣類です。
そして、それは礼服の性質上、仕方のないことでもあります。
こちらではそんな礼服の特性についてご紹介したいと思います。
礼服が着用やクリーニングでテカる理由
それは、礼服の特性ともいえる様々な条件が絡んできます。
繊維がデリケート
その風合いや華やかさを演出するために、デリケートな繊維を使っていることが多いです。
ポリエステルやウールというと比較的強い繊維であるイメージですが、礼服特有の風合いを演出するため細い繊維を使います。
そのため、着用やクリーニングによる影響を受けやすいのです。
濃色品の特性
黒や濃紺など濃色の衣類は光の反射を受けやすいため白っぽく見えたりします。
暗いところと明るいところでの日差しの受け方や、見る角度によっても反射の加減が違くなります。
特に、縫い代の段差や、肩襟の縁、切り替え部分に現れやすくなります。
初洗いで影響を受けやすい
というより”感じやすい”といった方がいいかもしれません。
クリーニング時にはどんなに注意しても、一定の負荷はかかります。
- 洗浄力
- 洗浄時間
- 乾燥
- 熱
などなど。
色々な影響を考えると、負荷がゼロになることはありえないのです。
テカりを軽減する方法
テカりは繊維がつぶれて凹凸が無くなっているために起こります。
本来は凹凸が光を乱反射するため深い黒に見えますが、表面が平らになることで白っぽく見えるのです。
そのため理屈上は凹凸を作ってあげることにより、テカりは解消されます。
基本はスチームアイロンで蒸気をあてながらブラッシングです。
ただ、ポリエステルは繊維が変形していると、なかなか元には戻らない可能性があります。
その他にはこのような手段が。
ちょっと荒技ですが、表面をあえて傷つけて凹凸を作る方法です。
やりすぎないよう、細心の注意が必要。
こちらは粒子を吹き付けることにより凹凸を作り出すスプレー。
洗濯すると流れてしまうので、定期的に吹きかける必要があります。
まとめ
礼服の特性上、白けて見えてくるのは仕方がないことと覚えておいてください。
それを踏まえたうえで、摩擦が軽減するよう注意したり、クリーニングの頻度を減らしたりすることで、テカりの発生を抑えていくことができます。
礼服は何着も所有するような衣類ではありません。
1着を長く着られるよう、少しだけ工夫して着てあげてくださいね。