ドライクリーニングの溶剤とは?

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この記事は国家資格クリーニング師が書いていますドライクリーニングの溶剤について調べる
さて、お勉強の時間ですよ!
皆様のお洋服をクリーニングしている「ドライクリーニング溶剤」と言われているものは何でしょうか?

ドライクリーニングの溶剤について

「講釈はいいから結論を!」という方は、まとめの項目からどうぞ。
小難しい説明を一気にジャンプしてまとめから見れます。(笑)

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パークロロエチレン(テトラクロロエチレン)

不燃性で火災の心配がなく、油脂溶解力が大きいため油性汚れの洗浄力が高い。(汚れ落ちがいい。)

その反面、樹脂の溶解力も強く、顔料プリント、樹脂を使う接着芯、ポリウレタンコーティング、塩化ビニルの衣類やゴムを使用した衣類は洗うことができません。

また、、発がん性が懸念されることや、土壌汚染の問題から使用するクリーニング店は少ないです。
(有害物質と指定されています。)

フッ素系溶剤(トリクロロエタン)

以前はドライクリーニングで使用されていたこともありましたが、現在は環境汚染(オゾン層の破壊)などを理由に使われておりません。

その他の溶剤

シリコン系溶剤、代替えフロンなど新しい溶剤が出ていますが、一般的に定着し業界のスタンダートとなったものは今のところありません。

石油系溶剤

現在、最も普及している溶剤は、石油系溶剤です。
工業規格で言うところの、工業ガソリン5号に分類されています。

引火性があるので、取り扱いには注意が必要ですが、油脂溶解力が低くデリケートな衣類にも使用できる上、新種の溶剤に比べコストが安いという利点もあります。

上記では、油脂溶解力が高い=洗浄力も強いとご説明しましたが、その反面クリーニング事故の原因となる場合もあります。
石油系溶剤は、油脂溶解力が低いですがドライクリーニングで落とすべき汚れ(不燃性:ホコリ等 油性:皮脂など)を落とすには十分であり、シルクやアンゴラなどデリケート衣類も洗うことができるため、広く普及しています。

まとめ

毒性、環境汚染などの問題から、現在使用できる溶剤は限られています。

一般的なクリーニング店で使用されているドライクリーニング溶剤は、石油系溶剤(工業ガソリン5号)です。
約90%のクリーニング施設が石油系溶剤を使用しています。

コストも安く、シルクなどのデリケート衣類を洗うことに適しているため広く普及しています。

 

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