ドライクリーニングとは?その仕組みと方法

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「ところで、ドライクリーニングって何なの?」

私の出したお洋服は、ドライクリーニングという方法で洗っているらしい・・・。

何となく知っているような気がすると思いますが、実際どういう物か分からないですよね。
この機会に、ドライクリーニングついてもっと知ってみませんか?

良いクリーニング店の選び方にも絡めてご紹介!

ドライクリーニングについて、クリーニング店の受付さんより詳しくなってしまうかも?!

ドライクリーニングについて知っておくべき3項目

ドライクリーニングについて知っておくと得する3項目をまとめました。

クリーニング店でのお打ち合わせにも役立ちますよ!

  1. ドライクリーニングの仕組み
  2. ドライクリーニングの特徴
  3. ドライクリーニングできる衣類

3分で読破できる基本中の基本といえる内容なのでお気軽にお読みください。

1.ドライクリーニングの仕組み

ドライクリーニングとは、水ではなく有機溶剤を使用したクリーニング方法です。

ドライクリーニング機、乾燥機

そう、水で洗わずに、溶剤で洗っているんです!

※ちなみに水を使ったクリーニング方法はランドリーと呼ばれています。

こぼれたランプの油で、クロスの模様が消えたことから偶然発見されたそうです。

有機溶剤は、主に石油系と塩素系に分けられますが、一般的なクリーニング店では石油系溶剤を使用していることが多いです。

この溶剤にソープ(ドライクリーニング用の洗剤のようなもの)を入れて、洗浄します。

 

・・・?。

 

じゃあ排水(排液)はどうするの?もしかして石油系溶剤を流して捨ててるの?
勿論、捨てません!

ドライクリーニング機フィルター

循環式と言って、洗浄後の溶剤をフィルター、活性炭に通してキレイにし繰り返し使います。

なので、フィルター、活性炭の交換頻度など、溶剤管理によってクリーニング店の善し悪しが分かってしまうことも・・・。

ドライ機の仕組み

イラストでみるとこんな感じです。

ベースタンクに貯蔵された溶剤はグルグルと回ってまた戻ってくる仕組みですね。

先ほども触れましたが、この中のフィルターと活性炭の部分が大切。

常にキレイな溶剤で洗うためには、これらの管理が行き届いていなければなりません。

★クリーニング店選びのワンポイント★

品質が心配な時は「溶剤管理はどのように行っているの?」と聞くのもいいかもしれません。

「ソープのチャージは○○パーセントで洗っています。」
「フィルター交換は○ヶ月に一度以上行います。」

など、具体的な答えが返ってくる場合には、しっかりと管理され溶剤はキレイに保たれているでしょう。

2.ドライクリーニングの特徴

水ではなく溶剤で洗うため、水溶性の汚れは落ちにくく、油性の汚れは落ちやすい特徴があります。
(当然といえば、当然ですが・・・。)

油性の汚れとは、皮脂、オイルや口紅などです。(水溶性汚れは汗などです。)

また、クリーニングによく出る衣類は「外衣」が多く、これらの汚れはススやホコリが皮脂により固まったものが主となります。

これらの汚れはドライクリーニングにより洗い流す事ができます。

EM菌配合ソープ

水溶性汚れも、ドライクリーニング洗剤「ドライソープ」のおかげで全く落ないわけではありません。

しかし、本当に”落ちないわけではない”程度で、期待するほどの汚れ落ちはありません。

ドライクリーニングの汚れ落ちについての記事はこちら

ドライクリーニングの最大の特徴は、型崩れが起きにくい、非常に生地に優しいクリーニング方法です。

ウールの表面は、髪の毛のキューティクルと同じようにウロコ状になっています。
水につけると繊維が膨らみウロコがひらき、その状態で、もまれると繊維がからみ合って徐々に目がつまって縮んでしまいます。
(フェルト収縮といいます。)

ドライクリーニング溶剤中ではウロコがひらきませんので、収縮は起こりません。

★クリーニング店選びのワンポイント★

汚れの種類を申し出て、「普通のクリーニングで落ちますか?」と聞いてみましょう。

ドライクリーニングの特性を踏まえたアドバイスが貰えたら、安心できるクリーニング店と言えるでしょう。

3.ドライクリーニングできる衣類

ドライマーク

お持ちの衣類の洗濯表示はどのようになっていますか?

401、402のマークがついていればドライクリーニングできます。
403はドライクリーニングできません。

これらは、衣類を製造したメーカーさんが洗浄チェックを行い記載しています。

クリーニング店では基本的にこの指示通りの方法でクリーニングします。

「ドライクリーニングしか出来ない衣類が、汗まみれになったら汚れは落とせないの?」

鋭いご指摘ですね。

2.ドライクリーニングの特徴でご説明したとおり、ドライクリーニングでは汗(水溶性汚れ)を十分に落とすことはできません。

この場合には、ウェットクリーニングという方法を併せて行うことでキレイに落とすことができます。

ウェットクリーニングとは、本来ドライクリーニングする衣類を、水洗いする特殊技術です。

追記

2016年12月より洗濯表示が変更になります。

ドライクリーニングの取り扱いに関する新しい絵表示はこちらです。

絵表示 意味
iso-33 パークロロエチレン、及び石油系溶剤を使用したドライクリーニングができます。
iso-34 パークロロエチレン、及び石油系溶剤を使用した弱いドライクリーニングができます。
iso-35 石油系溶剤を使った弱いドライクリーニングができます。
iso-36 石油系溶剤を使った弱いドライクリーニングができます。
iso-37 ドライクリーニングできません。

その他の絵表示もすべて変更になりますので、興味のある方はこちらのページでご確認ください。

新JIS洗濯表示一覧はこちらのページ

★クリーニング店選びのワンポイント★

ドライクリーニングしか出来ない衣類が汗を多く吸っていることを伝えてみましょう。

ウェットクリーニング(汗ぬきクリーニング等とも呼ばれます。)を勧められたらドライクリーニングの特徴を理解している証拠です。

ウェットクリーニングはこちらのページが詳しいです。

仕組みと方法のまとめ

  • ドライクリーニングは水ではなく溶剤で洗うクリーニング方法。溶剤管理はクリーニング店の品質を決める重要ポイント。
  • ドライクリーニングは、油性の汚れを落とすのは得意だけど、水溶性の汚れは不得意。
  • 洗濯表示をチェックしてドライクリーニングできる衣類を見極める。

突き詰めればまだまだ詳しい事はありますが、お客様方はこの辺りまで把握しておくとクリーニング前の打ち合わせもスムーズに行えると思います。

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