クールビズのワイシャツの選び方と着こなし【完全マニュアル】
- 投稿:2016.07.10
- 更新:2020.10.03
- オーダーシャツ&スーツ

1年の半分はクールビズ期間にあたる日本のビジネスシーン。
ここまでくると、その時のシャツの着こなしにセンスや個性を問われるといっても過言ではありません。
さらに難しいのが、クールビズ=なんでもあり、というわけではないということ。
どんな格好をしてもいいわけではないので、あまりにだらしない装いでは常識さえ疑われてしまうかも?!
カッコよくスマートに、そして好印象を持たれるクールビズファッションをマスターしましょう!
クールビズとは
クールビズは冷房エネルギー節減のため環境省が主導して推進されている取り組みです。
これによって5月~10月においては、涼し気な服装がビジネスシーンでも認知されてきています。
環境省が認めているクールビズの服装は以下の通り。
服装の可否
衣服 | クールビズ | スーパークールビズ |
---|---|---|
ノーネクタイ | 可 | 可 |
ノージャケット | 可だけど徹底されてない | 可 |
半袖シャツ | 可 | 可 |
かりゆしウェア | 可だけど徹底されてない | 可 |
ポロシャツ | 不可 | 可 |
アロハシャツ | 不可 | 可 |
Tシャツ | 不可 | TPOに応じて |
タンクトップ | 不可 | 不可 |
チノ・パンツ | 可だけど徹底されてない | 可 |
ジーンズ | 不可 | TPOに応じて |
ハーフパンツ | 不可 | 不可 |
スニーカー | 可だけど徹底されてない | 可 |
サンダル | 不可 | TPOに応じて |
基本的に認められているのは、ノーネクタイ・ノージャケット・半袖シャツの3種類になります。
そしていわゆるスーパークールビズ期間(6月~9月)はポロシャツ・チノパンも着られるように。
注意点
とはいえ、これらの服装に対して全ての人が好印象をもってくれるとは限りません。
特に営業職の方なんかは、夏場でもジャケット+長袖シャツ+ネクタイ着用の方も多いのが事実。
スーパークールビズ期間は執務室内のみシャツやサンダルも認められますが・・・、もしも外部のお客さんに見られたらと考えると怖いですよね。(汗)
取引先やクライアントに不快に思われないような使い分けが必要です。
クールビズの主要ファッション
それではクールビズファッションのメインとなるノーネクタイ、ノージャケット、半袖シャツについて詳しく見ていきましょう。
ノーネクタイ
ノーネクタイといっても、普段のコーディネートからネクタイを外しただけのスタイルでは少々不格好。
カッコよく着こなすポイントはシャツの衿型です。
ボタンダウン
ノータイでもきまる衿型としてまず思い浮かぶのがボタンダウン。
衿羽の先にボタンホールがあり、そこをボタン留めできるタイプのシャツです。
衿を美しく保つことができるためノータイにはもってこいのデザインになります。
ただ、元々は競技用のスポーティーなシャツが起源となっているため、ビジネスには不向きとの意見もあります。
ドレッシーな装いが求められる場では避けた方がよいかもしれません。
とはいってもアメリカ、日本ではボタンダウンシャツは広く支持を得ているので、実際にはそれほど気にする必要はないでしょう。
スナップダウン
仕様はボタンダウンなんですが、隠しボタンになっているため、外側からはボタンが見えないデザインです。
衿を美しく形作りながらも、ボタンが隠れることによりドレッシーさが際立つ、イイとこ取りの衿型と言えるかもしれません。
ドゥエボットーニ
必然的に衿台そのものの幅が高くなるので、ノータイでもカッコよく切れるのが特徴です。
クレリック
身頃は色柄の生地でありながら、衿とカフスが白い生地で作られたシャツです。
フォーマルな印象を保ちながらアクセントが効いたそのデザインは、クールビズ期間だけでなく通年で人気があります。
オープンカラーシャツ
最初からノータイを想定して作られているので、美しいシルエットになり、エレガントながらも涼し気な印象を与えるデザインです。
ノージャケット
続いてノージャケットスタイルの着こなしについて。
外出先ではジャケットとネクタイを着用したい営業職の方はこちらがメインになるのではないでしょうか。
ジャケットを着ることを想定するならば、シャツは長袖のものをチョイスしましょう。
長袖シャツの腕まくり
会社にいるときくらいはジャケットを脱いで・・・、というスタイルでは腕まくりが欠かせません。
でも単純に腕まくりといっても、様々な方法があるのをご存知ですか?
無造作にまくり上げてしまうと、きついシワがついてしまい伸ばした時に非常に不格好です。
腕まくりもスマートに行いましょう。
シンプルロール
カフスの幅に合わせて段階的にまくり上げていく方法です。
もっともシンプルで簡単ですが、厚みが出て少々不格好なのが難点。
スリムロール
まず最初にカフスを半分に折り、その幅に合わせて段階的にまくり上げていく方法。
シャープですっきりした印象になりますが、カフスに折り目がついてしまうという問題も。
マスターロール
もっとも美しく、シワにもならない画期的な方法がこちら。
クルクルと折り返さずに、カフスが裏返っている状態で一気に肘上までまくり上げます。
さらにカフスが半分くらい隠れる位置までまくり上げます。
カフスの裏側がチラッと見えるようになるので、カフスの裏地が柄物のシャツ(ポールスミスなんでよく見るデザインですね)ならかなりオシャレです。
清涼素材のシャツを選ぶ
今は高機能な新素材によって、暑い夏でも清涼感を得られるようなワイシャツが多数販売されています。
ヒートテックの逆バージョンですね。
クールビズ期間も長袖シャツを着たい方は検討してみる価値がありそうです。
その性能や仕組みは各社色んなものがあるのですが、こちらでは有名どころをピックアップしてご紹介したいと思います。
クールマックス
こちらのクールマックスという素材は、元々スポーツウェアなどに使われていたものでした。
速乾性に優れていて、吸収した汗を素早く発散させる機能があります。
通気性が良くサラッとした着心地は、夏のワイシャツにピッタリです。
洗濯後も乾きやすく、アイロンがけもしやすいという特徴があります。
アイスコットン
アイスコットンはスイス生まれの高機能素材。
高い熱伝導性を持ち素早く体の熱を奪うので、着用したときに”ひんやり”と感じるそうです。
何といっても特徴は綿糸の撚りによって冷涼感を出しているということ。
一般的な冷涼素材が化学繊維をつかっているのに対して、アイスコットンは天然の綿素材なんですね。
ニットシャツ
ワイシャツの形をしたポロシャツ、というようなイメージになります。
汗を吸いやすく、洗濯しても乾きやすくシワになりにくい。
そしてストレッチ性があり着やすいというメリットいっぱいのシャツになります。
ただ、生地が伸縮しやすく、型崩れの恐れがあります。
特にクリーニング店での専用プレス機では大きく型崩れを起こす可能性が高いので、事前にニットシャツであることを申し出しましょう。
半袖シャツ
クールビズ期間になると、もっともよく見かけるのがノータイ+半袖シャツ、というスタイル。
機能性や手軽さという意味では、着る側からすると一番取り入れやすいコーディネートかもしれませんね。
しかし、見る側にとっては必ずしも支持が高いというわけではないようです。
低評価になりがちな理由
そもそも半袖のワイシャツという時点で正式なスタイルではありません。
これが認知され、一応のところアリとされているのは日本とアメリカくらいのもだそうです。
※日本のビジネススタイルはアメリカの影響が強いので、意識的な部分に関しても共通する部分が多いです。半袖のワイシャツだけでなく、本来ビジネスに不向きとされるボタンダウンシャツも日本やアメリカでは受け入れられています。
なによりもジャケットを着る時に半袖シャツですと不恰好なんですよね。
そして、何故か女性からの評価も低い傾向が・・
カッコよく見せるためには
そして全体的にスリムなシルエットを選びましょう。
ダボっとした半袖シャツほど見栄えが悪いものはありません。
特にアームホールが小さめのシャープなデザインがおすすめです。
また、カジュアル感が出過ぎないよう色柄にも注意。
爽やかな薄いブルー系が無難です。
クールビズのマナー
ノーネクタイ、ノージャケット、半袖ワイシャツとクールビズのメインアイテムを確認したところで、クールビズファッションのマナーもおさえておきましょう。
状況に応じて使い分ける
クールビズ期間だからといってなんでもありというわけではありません。
取引先への訪問時には、やはりジャケット+ネクタイ着用が好まれます。
特に初回訪問時や大事なプレゼン、クレーム処理なんかは、当然しっかりした格好の方がよいでしょう。
また、訪問先の社風に合わせることも大切です。
服装が固くない企業へ訪問するのに自分だけカッチリしすぎると、なんか暑苦しい人だなー、なんて思われかねませんからね。
何事も臨機応変です。
インナーに気をくばる
気をつけなければならないのが、インナーが透けて見えてしまうこと。
ワイシャツを透けない生地にすることはもちろんですが、インナー自体にも気を使いましょう。
クールビズでは第一ボタンを外すスタイルになりますので、丸首ではなく深いVネックが絶対です。
さらにこだわるならベージュ系の色にしてみたり、ノースリーブにしたりすると完璧。
あっ、インナー無しは絶対にNGですよ!
見ている相手の方が恥ずかしくなってしまいます。(苦笑)
コミュニケーションをとる
最後は着こなし以外の部分、クールビズ時のコミュニケーションについてです。
接客時に「クールビズで失礼いたします。」と一言沿えるだけでも相手の印象は変わるはずです。
また、初回訪問時にはジャケット+ネクタイ着用でも、「社の方針でクールビズを推進しているのですが、次回の訪問ではクールビズでお伺いしてもよろしいでしょうか?」とお伺いを立てるのも一つ。
また、暑苦しさを感じさせないよう、相手に会う前に身なりを整えたり、汗を拭いて呼吸を落ちつけたりすることも大切です。
スーパークールビズ期間の対応
6月~9月のスーパークールビズ期間に入ると、勤務先の方針によってはポロシャツやチノパンの着用も許されてきます。
ただし、グッとカジュアル感が増してくるので、使いどころはかなり難しいですね。(上部画像のようなファッションはNGでしょう・・・。)
その辺りの対応も確認しておきましょう。
ポロシャツ
会社でクールビズ期間に許されているならば、もっとも涼し気で機能性も高いポロシャツはぜひ取り入れたいアイテムです。
注意点としては、ワイシャツと同様の基準でマナーを守り着用すること。
間違えるとだらしなくなったり、カジュアルダウンしすぎてしまうので注意が必要です。
一番大事なのは清潔感
これに限ります。
ポロシャツは着用と洗濯を繰り返すことにより、くたびれた風合いになりやすいので注意しましょう。
特に襟部分はシャキッと感を決定づける重要なポイントです。
台衿がついたものを選んだり、場合によっては襟だけでもアイロンがけするなどの工夫が必要です。
色柄もビジネスで着ることを想定して
無難なところでいうと、黒、グレー、白、紺あたりになってくるでしょう。
柄物は極力選ばず、無地もしくはワンポイントに。
ただ、黒や紺は汗をかいてそれが乾くと白く輪どったり、グレーや白は汚れが目立ったりします。
やはり、お手入れを欠かさずキレイな状態を保つことが大切です。
サイズ感はやっぱり大切
こちらもワイシャツ同様とても大切なポイント。
パンツがスリムなタイプならば、それに合わせてジャストサイズを選びましょう。
大きすぎてぶかぶかのポロシャツは、かなり見栄えが悪いのでご注意を。
チノパン
シャツをメインにしたこのページのテーマからは少々外れますが、ポロシャツと組み合わせたいクールビズファッションとしてチノパンにも触れておきます。
こちらもポロシャツ同様、間違えるとカジュアル感が出すぎて「えっ、私服??」と捉えかねないので注意が必要です。
ビジネス感を演出するサイズ選び
やはりここでもサイズ感は最重要項目になってきます。
体にフィットしたスリムなものを選びましょう。
さらにスラックスのようにセンターラインが入ったものを選ぶのがポイント。
ビシッとセンターラインが入ったチノパンはシャープな印象となり、ビジネスシーンでの着用にピッタリです。
経験上、ファストファッションブランドのチノパンはセンターラインが緩くなりやすいので、定期的にクリーニングへ出すか自分でプレスするよう注意しましょう。
TPO的に許されるのであれば、くるぶしが見える程度の若干短めの丈やロールアップなんかもオシャレで涼しげです。
失敗しない色選び
チノパンと言えばベージュですが、カジュアルダウンしすぎる可能性もあるので、使いどころを考えなければなりません。
スーツと同じくビジネスシーンでは紺やグレー系がおススメ。
特に紺は全体が引き締まったスマートな印象になるので、ビジネスにもピッタリです。
黒もビジネス感が出ますが、クールビズに使うには少々重たく暑苦しい雰囲気になるのでご注意を。
清潔感をアップする洗濯方法
最後はクールビズでもっとも大切な清潔感をキープするための洗濯方法です。
着こなしやアイテムの選び方も大切ですが、日々のお手入れを怠るとアッという間に見栄えが悪くなってしまいます。
逆にお手入れが行き届いていれば、よりスマートにカッコよく着こなすことができるでしょう。
基本の洗濯
いうまでもなくクールビズ期間は汗を多くかき、非常に汚れやすくなります。
いつも以上に気を配って洗濯しておきましょう。
特に襟周りなど皮脂が付着しやすい部分は、落としきれない汚れが酸化して変色してくることも・・・。
黄ばんだシャツなんて恥ずかしいですものね。
いつもの洗濯にひと手間加えてしっかりと洗っておきましょう。
- 汚れやすい部分をぬるま湯で濡らす
- 台所用洗剤や固形石鹸をつけて揉み洗いしておく
- 弱アルカリ性洗剤で洗濯する
下洗い+洗浄力の高い洗剤でしっかりと洗い上げるのがポイントです。
+αの洗濯方法
日々のお手入れでは洗浄力を高めることを重視して洗濯するのが基本ですが、+αの手間をかけることで、より清潔感をアップすることができます。
漂白する
白いものをしっかり白くするためには、漂白処理が欠かせません。
洗濯の洗浄力を高めるだけでは、一度変色したものは白くならないのです。
使う漂白剤は酸素系漂白剤。
塩素系や還元系ではないのでご注意ください。
酸素系は色柄物にも使えるうえ、正しく使えば高い漂白力を発揮します。
漂白のポイントは温度。
40度ほどの温水がもっとも効果的な温度だといわれています。
- 洗面台や桶にシャツが浸かるくらいのお湯を溜める
- 規定量の酸素系漂白剤を入れる
- 30分~1時間ほど漬け置く
- 白さが復元されていたら終了し、普段通り洗濯する
ワイシャツに使われる素材は耐洗濯性が高く取り扱いしやすい繊維なので、お洋服全般から見ると洗濯しやすいはず。
漂白処理だけは是非マスターしておいてくださいね。
関連記事:黄ばみや黒ずみもコレで落とす!酸素系漂白剤の使い方をマスターしよう!
糊付け+アイロン
シャキッとしたビジネス感を出したいなら、やはりアイロンがけは必須です。
それはワイシャツだけでなくポロシャツも同じ。
さらにハリのある風合いを出すなら糊付けも効果的です。
手軽に糊付けするならスプレータイプにしてみましょう。
どうしても時間がない場合には、襟回りだけでも糊をスプレーしてアイロンがけしておくと見栄えが断然違います。
関連記事:お洋服が素敵な風合いに!【洗濯のり】の効果的な使い方
まとめ
それではまとめていきましょう。
クールビズでメインになるスタイルは、ノーネクタイ、ノージャケット、半袖シャツの3パターン。
清潔感があり、ジャストサイズで着られるスマートなシャツを選びましょう。
特に衿型にはこだわり、ボタンダウンや台衿が高いものを選ぶと、襟回りがスッキリとシャープに演出できます。
また、日々の洗濯も工夫して、清潔感、シャキッと感をキープしていくことが大切です。
そして一番大切なのはTPOを意識すること。
環境によってアリにもナシにも変化しますので、状況に応じたコーディネートが重要になってきます。
繰り返しになりますが、クールビズ期間はかなり長く設けられています。
自分にピッタリのスタイルを探して、カッコよく、爽やかに暑い季節を乗り切りましょう!
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