日常着に多く使われ、もっとも身近にあるであろう繊維、綿(コットン)。
お持ちのお洋服の大半は、綿かポリエステルなんじゃないでしょうか。
非常に強い繊維で、洗濯も簡単。
ということでシルクやカシミアなどの高級繊維に比べて大衆的な繊維のように思います。
しかし、綿の中でも”超エリート”という種類が存在するんです。
それは幻の綿とも呼ばれる、海島綿(シーアイランドコットン)です。
海島綿とは
超長綿と呼ばれる希少な種類。
短繊維綿(21mm以下)、中繊維綿(~28mm未満)、長繊維綿(28mm以上)と細かく分類されている中でも、特に長く35㎜以上のものが超長綿。
繊維は長ければ長い方が細くても強度が高くなるので、薄くて頑丈な高品質の生地が出来上がります。
超長綿と呼ばれるものは海島綿以外にも存在します。
- スーピマ綿(アメリカ)
- ギザ綿(エジプト)
- トルファン綿(中国)
- ピマ綿(ペルー)
…etc
その中でもカリブ海の西インド諸島で作られる海島綿は特に有名なんです。
気候が大きく関係するそうで、昔は世界各国で海島綿の生産を試みたそうですが、ことごとく失敗してきた歴史があるようです。
そのため当時は同じ重さの金と同等の価値があったんだとか・・・。
その特徴は
クリーニング屋で見かけるのは海島綿を使用したワイシャツ。
一言でいえば、シルクのような光沢と風合いを持っていて、見るからに上質です。
「これ綿100%?!」と思うような、なめらかな質感を持っています。
英国王室なんかでは「綿製品は海島綿で!」という決まりがあるそうですが、それも納得の高品質です。
クリーニングに出すときの注意点
普通にワイシャツをクリーニングに出すと、高温洗浄、高温プレスで仕上げられます。
襟や袖に付着した皮脂汚れを落としたり、漂白効果を高めたりするにはこの方法が適しているのですが、こと海島綿のワイシャツに関してはこの方法は当てはまりません。
前途の通り、海島綿で作られるワイシャツは、その特性を活かして薄く上品な作りになっています。
着心地や風合いに重点をおいているので、耐洗濯性に関しては一般的なものよりも劣ると考えておいた方がいいです。
あまりに強い洗浄と仕上げを行うと、海島綿の持つ独特の風合いを損なう恐れがあります。
特に大量生産でコストを抑えている低価格なワイシャツクリーニングの場合は特に注意しましょう。
必ずデリケートな綿製品であることを伝えて、優しい洗いとハンドアイロンによる手仕上げを依頼してくださいね。