鮮やかな色のお洋服を着ると、なんだか気分まで華やかになります。
しかし、そのような発色の良いお洋服は色々と注意が必要です。
特に購入前に知っておくと後のトラブルを回避できます。
鮮やかなお洋服を好んで着る方は、この機会に是非確認しておきましょう。
インポート物は要注意
欧米のインポート物は発色が良く、色鮮やかなお洋服が多いと思いませんか?
逆に、日本製のお洋服は鮮やかな色が少ないと感じる方もいらっしゃると思います。
それはなぜか。
お洋服は、様々なチェックを経てから、私たち消費者が買えるようになります。
品質基準はJIS規格によって定められていて、その中には染色の耐久性に関するチェック項目があります。
日本の規格では高いレベルの染色を必要とされます。
そのため、耐久性などの観点から、鮮やかな色は少なくなる傾向にあるのです。
繊維は無色透明ではありません
一般的に、元もとの繊維の色は”生成り”という黄色みがかった色になります。
そこに色を着けていくわけですが、発色の良い鮮やかな色にするためにはどうしても無理がかかってくるのです。
簡単に言えば、色落ちしやすくなってしまいます。
鮮やかにすればするほど元の色を隠さなければならないので、色が定着しにくくなっていくのです。
色落ち注意!
これらのポイントを踏まえてまとめます。
インポート物のお洋服は発色が良く色鮮やかなものが多いですが、その反面色落ちや風合い変化、経年劣化がしやすいといえます。
これは、クリーニング屋としても凄く感じるところです。
誰もが知る有名ブランドのお洋服でも、びっくりするほど色落ちすることがあります。
取り扱い絵表示通りの方法で洗っても、です。
一番の問題は意識?
ここで一つ問題が発生します。
有名ブランドの高級品=製品の質も良いはず、という勘違いからトラブルになることも多いのです。
前途の通り、染色は日本製の方が高いレベルを要求されます。
従って、海外の高級ブランドよりも、日本製の方が色落ちしにくいのです。(基本的には、ですが。)
この辺りは、日本人の性質?によるところも大きいと思います。
海外では”洋服は劣化していくもの”という認識を持っています。
劣化というよりも、”変わっていく風合いを楽しむ文化がある”というものでしょうか。
そのため、色落ちしたりしてもそれを当然の事として受け入れ、むしろ”味”として楽しむのです。
しかし、日本人は”新品感”を求める傾向にあります。
着用と洗濯(クリーニング)を繰り返せば劣化していくのは至極当然なのですが、そこを簡単に受け入れられないのです。
皆さんも色鮮やかなインポート衣類を買うときには、一歩立ち止まってこのような注意点について考えてみてください。