ネット上で公開されている家庭でできるしみ抜きを実際にやってみる「ネットの情報それホント?」シリーズ。
今回は襟や脇が黄ばんでしまった時の落とし方、漂白処理をご紹介します。
知っていますか?
漂白剤は”ただ入れただけ”では効果が少なく、黄ばみも落とすことはできないんです。
「漂白剤使ったのに全然落ちなかったよ!(泣)」なんて方は使い方を間違えているかもしれませんよ。
黄ばみを落とすには?
「・・・知ってるよ。漂白するんでしょ?」
はい、その通りです!
でも、使う漂白剤の種類や、効果を最大限に高める方法はご存知ですか?
手順を間違えると本来の漂白効果が得られませんよ。
せっかく手間をかけて漂白処理を行うのですから、しっかりとキレイにしたいですものね!
落とし方の手順
まず最初に基本的な手順をご紹介します。
- 固形石鹸、もしくは台所用洗剤で下洗いする
- 40度程の温水に酸素系漂白剤を規定量入れて漬け置きする
- 落なければ黄ばみ部分に漂白剤を塗り、さらに熱をかける
- 落ちていれば通常通り洗濯する
使う漂白剤は酸素系漂白剤です。
ネット上では様々な種類の漂白剤や重曹が紹介されていましたので、さらに突き詰めたい方は試してみてはいかがでしょうか?
なぜ酸素系漂白剤?
酸素系漂白剤にはこのようなメリットがあります。
- (使い方を間違えなければ)高い漂白力を発揮
- 色柄物にも使える
- 除菌効果がある
特に色柄物にも使えるということで、お洋服の漂白には大変重宝します。
粉末と液体はどちらがいい?
どちらも使い方を間違えなければ漂白効果は得られます。
ただ使い分けるとすればこのようなイメージです。
- しっかり漂白したいときは粉末
- 毎日のお洗濯で除菌効果、洗浄力アップを狙いたいときは液体
ということで、今回のように気合を入れて漂白したいときは粉末を。
ただ液体の方が使い勝手がいいので、どちらか一つなら液体を常備しておくのがおススメです。
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塩素系は使えない?
塩素系はとっても難しい漂白剤です。
- 色柄物に使えない
- 色が抜けると着色も難しい
- 濃度が濃いと生地に穴が開く
このような危険性があるので、家庭での漂白は酸素系一択と考えてください。
もしも塩素系を使うとしても真っ白のお洋服に限ります。
漂白してみましょう!
試験用の服は白のポロシャツです。
組成は綿50%、ポリエステル50%の混紡。
プリントや装飾のない、いたって普通のポロシャツですが、全体的に黄ばみが見られます。
手順1:下洗いする
一般的にシミはこのような構造になっています。
油やその他の汚れを取り除いておかないと、色素までたどり着けないんですね。
そのため汚れをしっかり落としておかないと、漂白剤を使っても効きが弱くなるのです。
こちらのポロシャツは襟部分も黄ばみが見られます。
毎回洗濯機で普通に洗っているにも関わらず、徐々に黄ばんできたものです。
全体的に水に濡らしてから襟汚れが目立つ部分に固形石鹸(もしくは台所用洗剤)をつけて洗っていきます。
これは、普段の洗濯で落としきれなかった汚れを落とすための手順になります。
(実は普段の洗濯でもこの一手間をかけてあげると、汚れ落ちが格段にアップします。)
襟部分を揉み洗いしていきました。
素材によっては揉まずに歯ブラシで擦る、指で擦るなど応用が必要です。
毛羽立ちの可能性もあるので最初は優しく、様子を見ながら徐々に力を加えるとよいでしょう。
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手順2:漂白液に漬け込む
下洗いが終わりましたら漂白作業に移ります。
酸素系漂白剤は40度~50度ほどが高い効果を発揮します。
常温の水道水に漂白剤を入れても黄ばみを取ることはほとんどできません。
ココは本当に重要なので2回書いておきます。
40度~50度の温水を使います!
※温度を上げる方法はワイドハイター本体に記載されておりません。
ワイドハイターの本体に記載の通りの量を入れて漬け込みしていきます。
たまに攪拌しながら30分ほど漬け込みました。
さらに洗浄力を高めたい場合には弱アルカリ性粉末洗剤も一緒に入れてあげましょう。
液性がアルカリに傾くと漂白力がアップするんです。
ネット上の「重曹使うといいよ!」なんていう情報は、実は弱アルカリ性の重曹を入れることで液性をアルカリに傾けようという狙いなんですね。
※状況に応じてさらに時間を伸ばしてもよいでしょう。その際には温度を保つため(漂白力を維持するため)お湯を足し、酸素系漂白剤も追加していきましょう。
漬け込み後の状態がこちらです。
大分薄くなってきましたが、もう少し落としたいところです。
そんな時は部分的な漂白を試してみましょう。
手順3:部分漂白する
黄ばみにハイドハイターを直接塗っていきます。
さらに、熱をかけて漂白力を上げてみます。
※熱をかける方法はワイドハイター本体に記載されておりません。
部分的に温度を上げていく方法は、ドライヤーで熱風をあてるか、
アイロンの蒸気をあてていきます。
準備が少し面倒ですが、アイロンの蒸気を使う方をお勧めします。
ドライヤーですと濡らした洋服が乾いてしまい作業しにくくなります。
その後通常通り洗濯してみましょう。
いかがでしょうか?
さらに薄くなりましたね。
乾くとさらに目立たなくなり、着用中にはほとんどわからない状態となりました。
軽くアイロンをかけて、キレイにたたむと見違えますね!
襟部分はこんな感じです。
ポロシャツだけでなく、Tシャツやカジュアルシャツなどの黄ばみも同様の方法でOKです。
くたびれてきたTシャツも見違えるように白くなりますので是非お試しください。
他にはこんな方法も
同じように襟が黄ばんできたワイシャツです。
繰り返しになりますが、まずは皮脂とそこに付着して固まったホコリ(これが黒ズミとなります)しっかりと落とさなければ漂白が効きません。
台所用洗剤もいいですがクレンジングオイルも効果的です。
黄ばみの程度によって色々と試してみましょう。
手で万遍なく塗りこみます。
擦ったりしても効果が高まるわけではないので、ゆっくりと馴染ませながら繊維の奥に浸透させていきましょう。
しっかりと濯いだら上記と同様部分漂白していきます。
アイロンの蒸気でしっかりと熱を加えて漂白力を高めると・・・
このようにキレイに落とすことができます。
作業着的に着用するワイシャツは通常の洗濯だけでは皮脂汚れが蓄積しやすく、すぐに襟が黄ばんできます。
そのようなワイシャツは定期的に漂白処理をしておきましょう。
酸素系漂白剤は便利
このように、普通で洗濯しただけでは絶対に落ちない黄ばみも、酸素系漂白剤を使えばキレイに落とすことができます。
今回は比較的安全で使いやすい液体タイプの漂白剤を使いましたが、粉末タイプはさらに強力な漂白力を持っています。
じっくり漬け置きで漂白したい方は、粉末タイプもおススメです。
さらに詳しくはこちらのページでもご紹介しています。
黄ばみや黒ずみもコレで落とす!酸素系漂白剤の使い方をマスターしよう!
クリーニング屋ならこんなこともできます
家庭洗濯できないお洋服の黄ばみとりもクリーニング店なら可能です。
このような洗濯表示の麻ジャケット。
ドライクリーニング指定で水洗い(家庭洗濯)できません。
長年蓄積してきた襟の黄ばみも、
このように落とすことができます。
全体的に薄汚れていてもこんな感じで復元させることができます!
当店では復元加工というメニューになります。
諦めてしまう前に一度クリーニング店へご相談ください!
まとめ
それではまとめていきましょう。
ガンコな襟汚れもしっかりとした手順を踏んで作業すれば目に見えて効果があります。
- 下洗いして事前に汚れを落とすこと
- 40度ほどの温水で漂白すること
この2つがポイントです。
しかし注意しなければならないのは、この方法が全ての衣類に適用できるわけではないということです。
素材や色柄によっても方法は異なりますし、黄ばみの状態によっては効果がでない場合もあります。
クリーニング店では知識と経験を元に工程を微調整しながら作業します。
このあたりがご家庭では難しい部分です。
- 水洗いできる
- カラーは白一色
- 素材が綿、もしくはポリエステル
このような条件でしたらご家庭でチャレンジしても失敗は少ないでしょう。
それ以外のお洋服はプロのクリーニング店に相談してみてください。
補足事項
- 洗剤メーカーさん記載の方法と異なる手順を含んでいますのでご注意ください。
- 全ての素材や色柄に対応できる方法ではございません。