赤ちゃんが生まれたばかりで何もわからない新米ママのときは、たくさんの親切な人が子育てにてついてアドバイスしてくれると思います。
そんな中で「生後○○ヶ月までは赤ちゃん用洗剤で大人物と別洗いしたほうが良い・・・」という話しを聞いたことはありませんか?
それは何故でしょう。
そして、赤ちゃん用洗濯洗剤はいつまで使えばよいのでしょうか。
それにはまず赤ちゃん用洗剤のことを知る必要があります。
他の一般的な洗剤と何が違うのか、こちらでしっかりと確認しておきましょう!
クリーニングのプロがお話しする、赤ちゃん服のお洗濯
赤ちゃんの肌が弱そうなのは何となくわかりますが、どれくらいデリケートだと思いますか?
なんと、赤ちゃんの肌は大人の半分の強さしかないそうです。
赤ちゃん用品で有名なピジョンさんのウェブサイトにもこのように記載されています。
赤ちゃんの皮膚は角質層の厚さが大人の約半分。そのため、ちょっとした刺激でも角質層がはがれ、バリア機能が低下してしまいます。
出展:pigeon.info
生まれて間もない赤ちゃんは、本当に肌が弱いんですね。
そのことからも、直接肌に触れる肌着の洗濯に気を配るのはとても重要なんだとわかります。
そんな時に活躍してくれるのがこのような洗剤。
赤ちゃん肌着専用の洗剤ですね。
しかし、赤ちゃん用洗剤をただ使っていれば安心という訳ではありません。
お子様のために洗剤について少しだけ勉強してみましょう!
知っておきたい洗剤のこと
洗剤にはいろんな成分が入っていますが、その中でも特に注意したいものをご紹介します。
”注意したい”といっても、その成分が完全に悪いものという意味ではありません。
一般的な洗剤にはほとんど入っている、と言ってもいいくらい効果的な成分ばかりです。
これらが入っているからと言って必ずしも赤ちゃんの肌に影響があるとは限りませんが、必要な知識として予め知っておきましょう。
界面活性剤
洗剤には界面活性剤という物質が入っています。
界面活性剤とは、2つの物質(水と油など)の境界面に働きかけ、その性質を変えるものです。
洗濯時には、繊維と汚れの間に界面活性剤が入り込み、叩き、揉みなどの力が加わり衣類から汚れが離れる仕組みです。
食器洗いで肌荒れする理由は、この界面活性剤が皮脂(油)を皮膚から剥がしてしまう事により起こります。
「これが赤ちゃんの皮膚だったら・・・。」
と、文字にすると凄く怖いですが(すみません(汗))、普通に使えば心配ありません。
では、赤ちゃん用洗剤には界面活性剤が入っていないんですね!・・・と思われるかもしれませんが、しっかり入っています。
ただし、普通の洗剤よりも少なく、すすぎで流れやすくなっているようです。
なので、赤ちゃん用洗剤を使ってもすすぎはしっかりしなければいけません。
逆に言えば、普通の洗剤を使っても使用量を減らしたり、しっかりとすすぎを行えば大丈夫です。
しっかりと”すすぐ”ことは、とっても大事。
高水位(たくさんの水)で必ず2回以上すすぎましょう。
蛍光増白剤
普通の洗剤には蛍光増白剤という物質が入っている事が多いです。
(赤ちゃん用洗剤には入っていません。)
蛍光増白剤とは衣類を白く見せるためのもので、この成分は洗濯後に衣類へ残るよう作られています。
この蛍光増白剤が赤ちゃんの肌に直接影響があると実証はされていないそうですが、念のため産婦人科では蛍光増白剤入りの洗剤は使わないように、といわれていると思います。
蛍光増白剤は、白い衣類をより白く”見せる”ためのもの。
汚れ落ちや肌触りではなく、あくまで見た目のことなので、赤ちゃん用衣類にはそもそも不必要なのでは?
柔軟剤
蛍光増白剤と同じ理由(洗濯後に衣類へ残る成分)で、柔軟剤も使わないほうが良い、とされています。
どうしても何か助剤を入れたい時にはクエン酸を入れてもよいでしょう。
柔軟剤の代わりにクエン酸を入れることでPHが酸性に傾き手触りが良くなります。
人間の肌は弱酸性です。
吸水性を高める意味でも赤ちゃん衣類には使わない方がいいかもしれません。
肌触りや風合いを良くしたいなら、干す前に振りさばいて粗ジワを伸ばしたり、乾燥機でふっくらと乾かすなどの工夫をしてみてはいかがでしょう。
みんなはどうしてる?
この記事を書くにあたって周りのママたちに体験談を聞いてみました。
全然分けて洗いませんでした
実際はこの意見が多かったです。
大人の洋服と分けることもせず、いつも使っている洗剤でごく普通に洗っていたようです。
ただ、特に汚れた洋服や、洗濯物の量が多すぎる時には注意していたそうです。
最初は分けていましたが・・・という人も次第に分けて洗わなくなる人も多いようですね。
洗剤を変えました
これは「なるほど!」と思いました。
赤ちゃん用洗剤を個別に用意するのではなく、大人用に使っていた洗剤を無添加のものに変えてしまったそうです。
これなら別の費用もかからず労力も削減されますよね。
ちなみに無添加洗剤とは、このようなものになります。
自然派洗濯したい人に人気の商品なのでご紹介しましたが、こちらは正確にいうと洗剤ではなく石けんです。
石けんは天然油脂を主成分としていますので、肌が弱い方やエコ志向の方に好まれますね。
ただ一般的に洗濯石けんは、洗たく槽が汚れやすかったり、分量を間違えると汚れが落ちにくくなる、など使い方が難しいとされています。
(このアラウ洗濯用せっけんのことを言ってるのではなく、あくまで一般論としてです。)
話しを戻して無添加”洗剤”というとこのようなものになります。
一口に無添加といっても色々なので、何が入っていて何が入っていないのかはちゃんと見ておきましょう。
ちなみに、こちらの無添加洗剤は蛍光剤(先ほどお話しした成分)、漂白剤、着色料が無添加となっています。
使い勝手をキープしながら添加物を減らしたいなら、このような洗剤が便利ですね。
意外と少数派だった個別洗い
しっかりと個別洗いをされている人は意外と少なかったですね。
当社調べですが、全体の1割ほどでした。
やはり手間がかかるからでしょうか。
しかし、こだわって洗っている方は洗剤も様々な種類を試し、安全で汚れ落ちがよいものをチョイスしているようです。
それでは”赤ちゃん用洗剤いつまで使う”の結論は?
ようやく、表題の「赤ちゃん用洗剤はいつまで使えばいい?」ですが、理屈的に言えば”最初から使わなくてもいい”となります。
クリーニング屋的にいうと、洗剤のことを少しだけ知って、目的に合った洗剤を選んで使うことが一番大切だと思っているんです。
実際に、最初から大人用と一緒に洗濯して問題なかった方は大勢います。
逆に、赤ちゃん用の洗剤でも使い方を間違えれば当然悪影響が出るのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、赤ちゃん用衣類を洗う時に重要なのはこちら。
- すすぎはしっかり、必ず2回以上はすすぐ。
- 洗濯後に衣類へ残るもの(蛍光剤や柔軟剤など)には注意する。
”いつまで”というよりも”どのように”洗うかを重視してみてはいかがでしょう。
※この記事はクリーニング師が執筆し、洗剤に関する知識をお伝えしています。赤ちゃんの肌に関する専門家ではございませんことをご承知おきください。