アセテート・トリアセテートについてのお話
セルロース(植物繊維)に酢酸を結合させた繊維です。
そのため酢酸人絹(さくさんじんけん)とも呼ばれていました。
アセテートとトリアセテートはほぼ同じものですが、取り扱い方法には若干違いがあります。
トリアセテートの方が酢酸化率が高く合成繊維に近いと言えます。
このためトリアセテートの方が酸に強く、クリーニングにおいてはアセテートに使用できない洗浄やシミ抜を行うことができます。
アセテート・トリアセテートの特徴
弾力性、吸湿性がありシルクのような光沢があります。
発色がよく、ハリやコシ、ドレープ感にも優れています。
レーヨンよりも水に強く、型くずれしにくいです。
シルクに似た質感でその用途は幅広く、ヴェルヴェットのパイル素材やアウター、スカーフ、ドレスなど多岐に渡ります。
また、熱で固定する性質があるので、プリーツ加工にも適しています。
しかし、空気中の汚染ガスにより変退色することがあります。
石油ストーブや車の排気ガスに長期間当てないよう注意が必要です。
アセテート・トリアセテートのクリーニング
前途のとおり、アセテートには使用できないしみ抜き剤などが多く、取り扱いには十分注意しなければなりません。
ご家庭にあるものですと、マニキュアの除光液やシンナー、瞬間接着剤、お酢、マヨネーズ、ドレッシングなどは要注意です。
こちらは最悪の場合繊維が溶けます。
溶けないまでもしみが残るような状態(これも穴が空いていないだけで繊維は溶けているのですが)となります。
アセテートと他の繊維の混紡でも、アセテート部分だけは影響を受けます。
ご着用の際にはくれぐれもご注意ください。